ミスティックリップスの19 シルクホースクラブ 2020年度募集

ミスティックリップスの19  募集価格1800万円

牝 宮田厩舎 ノーザンF生産

父ミッキーアイル 母父Generous

ミッキーアイル産駒は現段階でダート1勝しかしておらず、やや低調な印象を持つが、ヴェックマンが7/2(木)に栗東坂路51.8秒と猛時計を出しており、配合や繁殖牝馬のレベル次第で今後の活躍も期待できそうだ。ディープインパクト後継種牡馬の傾向通り、母スターアイルのパワーが強く出ているようで、勝ち上がったディアリストや評判馬ヴェックマンの配合から、仮説としては、あまり母スターアイルの血を増幅させない方がベター。


本馬は母ミスティックリプスの血を増幅させずに、教科書通りの配合を実現させた好配合馬。母ミスティックリプスは独オークス(独GⅠ・芝2200)勝ち馬、3代母Majoritatはドイツ牝馬二冠馬。ドイツ異系で固められた5代アウトになる母に、Northern 5×4・5・5と濃いクロスを持つミッキーアイルを交配させたことで、緊張→緩和のリズムを満たす「3/4 Northern Dancer、1/4ドイツ異系」となった。また、父が短距離馬×母が長距離馬になることで、スピードとスタミナをうまく取り入れた点も好感。


ミスティックリプスの産駒で同じような教科書配合となる兄姉には、ミスティックグロウ、ハーメティキストがいる。この半兄2頭は産駒の稼ぎ頭であり、本馬もそのような活躍を期待したいところだが、ドイツ血統の牝馬があまり走らない点は気掛かり。

例えば、本馬の3代母Majoritatの牝系で牡牝の成績を比較すると以下になる。母の産駒にサトノオニキスが走っているので大丈夫と見るのか、牝馬は走らないと見るのか。筆者は悲観的に捉えている。

◆Majoritat牝系の牡牝成績比較


【総評】

ミッキーアイルの種牡馬としての能力やニックス配合が分からない中で、教科書通りの配合を施した好配合馬。配合が非常に綺麗で堅実に走りそうなイメージを持てる。ただ、父・母ともにパワーが強く出そうなタイプなだけに、牝馬に出たことでスピードが削がれて、思ったより活躍しない可能性は懸念したい。

募集価格1800万円は母の産駒成績から一見割安に感じるだろうが、大物になれそうになく、早々に条件戦で頭打ちの可能性を考えると期待値はそれほど高くない。期待値を気にせず、配合の良さだけで選ぶならどうぞ。牡馬だったらなぁ。


堅実性  ★★★☆☆

大物感  ★☆☆☆☆

お買い得 ★★★☆☆