本ブログを多くの方に読んでいただいているようで、嬉しい言葉もかけていただきありがとうございます。本年度募集での関東・関西厳選10頭が不評でして、全頭血統考察してほしいという要望を多くいただいたので、追加募集くらいは頑張りました。
ただ、その分信憑性に差があり、個人の感想が多めになる点はご了承ください。
血統に少しでも興味をもっていただき、馬選びの参考になれば幸いです。
配合コンサルタントのお仕事もお待ちしております。
97. レディデラウェアの23
募集価格7000万円 牡 武井厩舎 ノーザンF生産 1/25生まれ
体高155.0cm 胸囲182.5cm 管囲21.5cm 馬体重479kg（3月中旬時点）
父キズナ 母父American Pharoah
Hennessyの血を持つキズナ産駒は7／10頭勝ち上がり、1頭当賞金約3620万円。ショウナンラプンタ、ショウナンザナドゥ、サンライズソレイユが活躍。これはキズナの配合の肝となるStorm Cat＋Fijiの血をいじっていることが要因で、ニックスの血と言える。
また、American Pharoahの祖母Exclusive RosetteがChieftain（ボルキロ）＋Jesterを持ち、Storm Catの血をいじる形になる点も好感。特にBolero Rose≒Jesterを持つキズナ産駒は、ニックス配合である母父シンボリクリスエスが該当し、それ以外でもディープボンド、ジャスティンアースが活躍。
ちなみに、母方がStorm Catのクロスを持つキズナ産駒はジャスティンアース、ツリーフロッグの2頭のみ。血統構成的にもジャスティンアースと非常に似た配合で、ダートでも活躍できる血統だ。
堅実に走る保険・芝ダート問わず走れる保険付きの分を思えば、高額の募集価格でも妥当と言える。お金に余裕があって一口馬主を楽しみたい方にはオススメできる1頭。
98. アナアメリカーナの23
募集価格6000万円 牡 奥村武厩舎 ノーザンF生産 3/19生まれ
体高164.0cm 胸囲186.0cm 管囲20.0cm 馬体重490kg（3月中旬時点）
父コントレイル 母父American Post
種牡馬コントレイルは米国スピード血統を多く持っているため、フランスの伸びを強化する方向に持っていくのがベターだと現状考えている。本馬の祖母がコテコテのフランス血統でいかにも合いそうな印象だ。
本馬の一番のポイントは、祖母がゲイメセン3×4を持ち、Sir Gaylordの柔らかさとAureoleの揉まれ弱さを強く伝える点だ。母の産駒が総じて緩さを強く出すのはこれ要因で、父から欧州的な馬力を持たせる必要がある。種牡馬コントレイルは柔らかい血は十分すぎるくらいで、どちらかと言えば締める方向の方が良いと筆者は考えており、本馬も兄姉と同様に緩さを出す可能性が高いだろう。
本馬の近況報告にも「緩さが残る／馬体がパンとしてくれば」とあり、血統考察のイメージ通り。種牡馬コントレイルの傾向も分からず、上記の懸念がある以上はさすがにリスクとリターンが見合わない。敬遠。
99. ダンサールの23
募集価格6000万円 牡 栗田徹厩舎 ノーザンF生産 2/22生まれ
体高162.0cm 胸囲183.0cm 管囲21.0cm 馬体重504kg（3月中旬時点）
父ロードカナロア 母父ハーツクライ
祖母バラダセールはSwaps4･5×6などHyperionの血を増幅した血統構成。そこにLyphardの血を持つディープインパクト・ハーツクライを配すると総じて、Lyphard＋ハイインローのHyperion的粘着脚質が強く伝わる。血統評論家の望田氏は上記の血統構成から大物が出るなら牡馬と評しているように、牡馬＞牝馬の傾向が強く出そうな印象を持つ。
実際、バラダセールの牝系の牡馬はサトノフラッグ、ニューバラード、カラマティアノスと全3頭活躍している。現役馬の走りを見ると、1頭当賞金はまだまだ上がりそうだ。
また、父ロードカナロア×母父ハーツクライはニックス配合で、母方が中長距離馬との配合も良い。ノーザンF生産馬になると成績が向上し、12／17頭勝ち上がり、1頭当賞金約6100万円になる。
半兄カラマティアノス（父レイデオロ）は共同通信杯2着馬。レイデオロ産駒はラトロ肩パワーを強く伝えるだけに、芝の上級条件で走る産駒はその繁殖牝馬が優秀の可能性が高いと筆者は考えている。半兄の走りから瞬発力勝負も問題なさそうで、Hyperion的粘着力が強く伝わる中でもキレる脚が使えそうな点は好感。本馬も半兄・近親と同じくらい走れる可能性は十分ある。
血統構成から古馬になって良さが出る晩成タイプなだけに、個人的には現状の怪我は気にしていない。競走馬としてまともなら、堅実に走る保険＋大物狙いまでできる1頭。
つづく
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