【血統考察】関東馬No.84~86 シルクホースクラブ 2024年度第1回追加募集

本ブログを多くの方に読んでいただいているようで、嬉しい言葉もかけていただきありがとうございます。本年度募集での関東・関西厳選10頭が不評でして、全頭血統考察してほしいという要望を多くいただいたので、追加募集くらいは頑張りました。
ただ、その分信憑性に差があり、個人の感想が多めになる点はご了承ください。

血統に少しでも興味をもっていただき、馬選びの参考になれば幸いです。
血統アドバイザーのお仕事もお待ちしております。


84. アイリッシュシーの23

募集価格7000万円 牡 手塚久厩舎 ノーザンF生産 1/31生まれ
体高157.0cm 胸囲184.0cm 管囲20.0cm 馬体重470kg(3月下旬時点)
父ロードカナロア 母父Galileo

本馬はSadler’s Wellsの血を持つロードカナロア産駒牡馬と相性が良い血統構成。6代母Mill Princessはラストタイクーンの母でもあり、ラストタイクーン≒Zelda 4×5のニアリークロスからフランスの伸びを強化している点に好感が持てる。

Northern Dancerが濃くニアリークロスが多いロードカナロア産駒は母の競走能力に依存しやすいのが特徴。母アイリッシュシー自身は活躍していないものの、祖母は英重賞3勝・英仏G1 2着の実績、近親には欧州G1重賞勝ち馬を多く輩出する牝系。しかも、本馬の兄姉は全3頭勝ち上がり、キャリアックリード、タイセイカレントが活躍する優秀な繁殖牝馬でもある。競争能力という点で見れば十分すぎるくらいで堅実に走る可能性は高そうだ。

懸念点としては、ロードカナロアが母の良さを引き出す傾向にあるため、母父Galileoでは欧州の重厚さが強く出るところだ。父ロードカナロア×母父Galileoの活躍馬キングオブコージは3代母Ridge PoolがSir Ivor 3×3を持つように、ナスキロの柔らかいスピードの血を強く出す下地がある点は見逃せない。本馬はそれが不十分な印象。スピード負け・適性ズレが懸念され、大物感に課題が残る。ダート馬になったら涙目。

堅実に走る保険付きでも募集価格が高額で手を出しにくい。
赤字覚悟でも一口馬主を楽しみたい方向け。


85. シフォンカールの23

募集価格2500万円 牝 深山厩舎 ノーザンF生産 2/10生まれ
体高162.0cm 胸囲180.5cm 管囲19.5cm 馬体重452kg(3月下旬時点)
父ドレフォン 母父クロフネ

父ドレフォン×ダイナカール牝系は相性が良く、7/10頭勝ち上がり、1頭当賞金約3200万円。デシエルト、ミッキーファイト、ハーバーライトが活躍。ダイナカールと同じ父ノーザンテースト×母父ガーサントの血を持つアンデスレディー牝系でも、2/3頭勝ち上がり。ジオグリフ、アンデスビエントが活躍。ニックス配合と言っていいだろう。

ただ、上記の配合は牡馬>牝馬の傾向がありそうで、特にエルフィンフェザーの分枝の場合はエアグルーヴ以上にパワーが強めの印象を持ち、牡馬>牝馬の傾向が強い点が不安。

 牡馬:15/30頭勝ち上がり、1頭当賞金約2650万円
 牝馬:8/27頭勝ち上がり、1頭当賞金約750万円

深山厩舎はノーザンF勤務経験はあるものの、ここまでノーザンFとの縁が薄く、ノーザンFの意向としても微妙なところ。性別が違っていれば感で言えば、ピュアグルーヴとイメージが似ていて、条件戦でコツコツ走れればという感じ。


86. ヒストリックレディの23

募集価格4000万円 牡 黒岩厩舎 ノーザンF生産 4/16生まれ
体高163.5cm 胸囲190.0cm 管囲21.0cm 馬体重497kg(3月下旬時点)
父レイデオロ 母父ネオユニヴァース

レイデオロ産駒は非主流的なパワーを強く出すため、ノーザンF生産×大型牡馬が活躍しやすい。サンライズアース、アドマイヤテラ、トロヴァトーレなど総賞金上位馬が該当する点で本馬にも期待したくなるところ。

ただ、種牡馬レイデオロはラトロ肩を強く伝える影響か、母方にもラトロ肩を強く伝える血があると出世しない傾向にある。Sadler’s Wells・Fairy Kingの血を5代血統表に持つ馬だとショウナンハウルが精一杯だ。

3/4同血のコルレオニスよりは馬体が大きく、母父が非Northern Dancerのネオユニヴァースの分で活躍する可能性はありそうだが、大物になるかと言われると微妙。


つづく