【血統考察】関東馬No.31~42 シルクホースクラブ 2023年度募集

31. プリズマティコの22

募集価格 2200万円 牡 菊沢厩舎 ノーザンF生産 1/8生まれ
体高152.0cm 胸囲169.5cm 管囲21.0cm 体重420kg(6月下旬時点)
父サトノアラジン 母父Medaglia d’Oro

本馬は、Storm Cat 3×5、Fappiano 4×6、Nijinsky 5×6・8とマジックストームを増幅させた配合。母がコテコテの米国血統でサトノアラジン産駒牡馬ならダート馬に出るだろう。祖母テルアケリーの産駒は勝ち上がり率が高かっただけに、本馬も堅実に走る可能性がありそうだ。

あとはどれだけ成長して馬格が大きくなるか。1/8生まれの初仔だと成長力に不安を残す。
ノーザンFの意向も微妙で、手が出ない。


32. トスアップの22

募集価格 2000万円 牝 和田勇厩舎 ノーザンF生産 3/17生まれ
体高150.5cm 胸囲168.0cm 管囲19.4cm 体重419kg(6月下旬時点)
父サトノアラジン 母父ジャスタウェイ

サトノアラジン産駒はStorm Catをいじる血を持つ方が良く、本馬はStorm Bird 4×5を持つ点で好感。祖母トップライナーⅡは一本気のスピードを伝えやすく、ジャスタウェイのWild Againも相まって、上級条件で頭打ちに合う可能性が高い。2勝できれば御の字で、回収率越えが大目標になりそう。
ノーザンFの意向も微妙で、手が出ない。


33. シャンハイロックの22

募集価格 3500万円 牡 宮田厩舎 新生F生産 2/17生まれ
体高147.0cm 胸囲176.5cm 管囲20.0cm 体重440kg(6月下旬時点)
父シルバーステート 母父ロックオブジブラルタル

セレクトセール2022当歳 2310万円で落札。
本馬の血統構成はシルバーステートと相性の良い血が多い。父シルバーステート×母父ロックオブジブラルタルは2/4頭勝ち上がり、カルロヴェローチェが活躍。Storm Catの血を持つシルバーステート産駒牡馬は4/5頭勝ち上がり、メタルスピード、ラスハンメルが活躍。
ただ、メタルスピード、ラスハンメルはシルバーステート産駒のニックス配合である「Northern Dancer+Special」+Blushing Groomの血を持っており、大物を狙うなら少なくともどちらかの血は欲しいところだ。

ノーザンF関連牧場以外のセレクトセール購買馬にも関わらず、この厩舎とこの募集価格には正直驚き。馬のデキが良いのかと勘ぐってしまう。半兄ジェネラーレウーノがノーザンF育成馬で結果を出しただけに、同様の活躍を期待してしまう。
血統派としては大物感で課題を残すだけに手を出しにくい。馬体派として大物感がありそうなら出資検討しても良さそうだ。


34. エレガントクルーズの22

募集価格 1600万円 牝 武藤厩舎 ノーザンF生産 4/14生まれ
体高154.0cm 胸囲173.0cm 管囲19.7cm 体重408kg(6月下旬時点)
父リアルインパクト 母父クロフネ

フレンチデピュティの血をリアルインパクト産駒は、ノーザンF生産馬に限れば全3頭勝ち上がり。ただ、全体成績で見れば良くなく、牝馬はエイシンチラーしか活躍していない。
ノーザンFの意向としても微妙。勝ち上がり目標で手が出ない。


35. イストワールファムの22

募集価格 4500万円 牡 鹿戸厩舎 ノーザンF生産 3/17生まれ
体高151.0cm 胸囲166.5cm 管囲20.6cm 体重419kg(6月下旬時点)
父サートゥルナーリア 母父ローエングリン

種牡馬サートゥルナーリアは父母相似配合でNorthern Dancer 5・6・6・8×4・6と濃いクロスを持つため、母方は非Northern Dancerクロスの方が間違いなく良い。Northern Dancerが濃くなると、母の競走能力に強く依存しそうだ。また、サートゥルナーリア自身が早期から活躍したことから締める血がやや強い印象で、柔らかい血を入れても良いだろう。

本馬はNureyev≒Sadler’s Wells=Fairy King 4・6×5・5と非常に濃く、締める血が非常に多いのが特徴。筆者としてはこういうのは良くない配合だと考える。血統セオリーからは手が出ない。


36. ボシンシェの22

募集価格 2000万円 牝 田中剛厩舎 ノーザンF生産 4/17生まれ
体高149.0cm 胸囲165.0cm 管囲20.0cm 体重383kg(6月下旬時点)
父スワーヴリチャード 母父Kingmambo

母の産駒はダートに良績が集中しており、Mr.Prospector 6×3、Lyphard 5×4、Riverman 5×4、Le Fabuleux 6×5とクロスが多いことで、ダート的なパワーが強く出そうな印象。スワーヴリチャード産駒は芝の方が走るし、ダート牝馬という点でもマイナス。手が出ない。


37. アナスタシアブルーの22

募集価格 4500万円 牡 栗田厩舎 ノーザンF生産 4/20生まれ
体高155.0cm 胸囲173.0cm 管囲21.3cm 体重426kg(6月下旬時点)
父レイデオロ 母父ファルブラヴ

レイデオロ産駒は気性的に難しい面があるようで、現時点では現2歳馬で結果が出ていない。血統予想家・亀谷氏も主張するように、血統背景を考えれば種牡馬として成功していいはずで、いかにもドゥラメンテ産駒の初年度と似たような印象を持つ。2世代目でまだ育成方法が確立していないかもしれないが、現状の成績を気にしすぎない方がいいだろう。今が一番の底値の可能性が高い。

Nureyev≒Fairy Kingとなるファルブラヴの血は父キングカメハメハ系と相性が良く、ノーザンF生産馬では22/31頭勝ち上がり、1頭当賞金3800万円になる。また、父キングカメハメハ系×フサイチエアデール牝系、特にライラプスの系統では勝ち上がり率が高く、本馬も堅実に走ってくるだろう。

懸念点としては、Seattle Slew、Seeking the Gold、Francis S.を経由したStriking≒Blue Eyed Momo=Busandaの継続クロスから、「War Admiral+La Troienne」のパワーがかなり強い印象があり、それがどう影響するか。

レイデオロ産駒の成功配合が未知で、分散が激しくギャンブルになるので個人的には好みではない。当たったらラッキーくらいな気持ちの高額馬…汗


38. バラダセールの22

募集価格 4500万円 牝 宮田厩舎 ノーザンF生産 1/12生まれ
体高162.0cm 胸囲178.0cm 管囲21.0cm 体重495kg(6月下旬時点)
父レイデオロ 母父Not For Sale

母バラダセールは重厚なスタミナ血脈が強く、Hyperionの粘りを強く伝える。そのため、Not For Sale+Lyphardのクロスが重要となり、ディープインパクト・ハーツクライ・ハービンジャーどれも堅実に走る。また、Mariacheの血はディープインパクト産駒と相性が良いことからも、ウインドインハーヘア牝系のレイデオロとも相性が良い可能性十分だ。

Hyperionの粘りを生かすためには、とにかくスピード能力が補完されていることが重要なので、ラドラーダ・レディブロンドからスピード能力が伝わっているかを見極めてほしい。そこさえ問題なければ大物になってもおかしくない。赤字覚悟の一発狙いなら。


39. トレジャーステイトの22

募集価格 4000万円 牡 手塚厩舎 ノーザンF生産 2/23生まれ
体高157.0cm 胸囲172.5cm 管囲20.5cm 体重431kg(6月下旬時点)
父フィエールマン 母父Oasis Dream

フィエールマンの母リュヌドールはどんな種牡馬でも堅実に走る優秀な繁殖。それだけにフィエールマンは種牡馬として成功する可能性が高いと推察する。柔らかいフレンチの斬れと長距離G1 3勝のスタミナを持つことから、母方にはスピードの血が必要だろう。

本馬は血統的な評価が難しい。半兄ピースオブエイトはスクリーンヒーローのニックス配合をしっかり持つ好配合馬であり、半兄グラニットピークはパワー型種牡馬でパワーに寄りすぎて走らなかった。
本馬はNijinsky≒Far North 5×5を持ち、フィエールマンらしい胴長ストライドが伝わっている印象で、母のLa Troienneのパワーで補完している点が好感。Nijinsky胴長ストライド×ラトロ肩は相性が良く、血統セオリー的には良さそう。

「なんとなく良さそう、でもニックス配合ってほどではない」というのが正直なところだ。明確な根拠がない以上この募集価格では敬遠。ココは馬体派の出番か。


40. アンセランの22

募集価格 2000万円 牡 辻厩舎 ノーザンF生産 3/5生まれ
体高150.0cm 胸囲170.5cm 管囲20.5cm 体重416kg(6月下旬時点)
父イスタボニータ 母父ドゥラメンテ

母が優秀な種牡馬×優秀な繁殖牝馬と潜在的なポテンシャルは高そうだ。本馬がIn Reality 5・6×6のクロスを持つ牝馬なので短距離が主戦場になるだろう。In Realityの血を持つイスラボニータ産駒は12/24頭勝ち上がり、プルパレイ、ミスボニータ、アイヴォリードレスが活躍している。Seeking the Goldの血も相性が良い。

イスタボニータもドゥラメンテも気難しい面が出やすく、本馬もそれが出ないかが心配。牧場見学ツアーへ行かれる方は確認した方が良いだろう。辻厩舎はノーザンFの意向としては良くはなく、成績もイマイチ。正直厩舎を見て残念に思った。見送り。


41. アグレアーブルの22

募集価格 2800万円 牝 新規開業厩舎 ノーザンF生産 4/8生まれ
体高151.0cm 胸囲169.5cm 管囲20.1cm 体重384kg(6月下旬時点)
父ビッグアーサー 母父マンハッタンカフェ

種牡馬ビッグアーサーはKingmambo×Sadler’s Wellsの影響により締まった体質を伝えやすいため、柔らかい血が重要。Storm Cat×Seeking the Goldの血を持つビッグアーサー産駒にはビッグシーザーがいるが、そちらはStorm Cat のクロス+Nijinskyの血持ちと本馬と同じように扱うのは酷。
新規開業厩舎=森一誠厩舎(or矢嶋大樹厩舎)に期待しつつも、血統派としては推せない。


42. ジョイカネラの22

募集価格 5000万円 牝 手塚厩舎 ノーザンF生産 2/12生まれ
体高159.5cm 胸囲182.0cm 管囲20.0cm 体重461kg(6月下旬時点)
父Frankel 母父Fortify

母ジョイカネラは亜1000ギニー勝ち馬。Frankel産駒は米国のスピード血統と相性が良く、活躍した産駒の母は米国重賞勝ち馬ばかり。牝馬ではミスエルテ、モンファボリが活躍している。

ただ、上記の馬と異なるのが、Danzig4×5、Sadler’s Wells≒Nureyev3×5を持ち、欧州型スタミナ血統も増幅している点だ。この血をいじるのはあまり良くなく、募集価格越えの活躍は相当厳しいだろう。


つづく