関東馬まとめ短評(No.26~50) キャロットクラブ 2022年度募集

26.ケイティーズハートの21

募集価格4000万円 牝 鹿戸厩舎 ノーザンF生産
父サトノクラウン 母父ハーツクライ

種牡馬サトノクラウンは現状ではフレンチ斬れを持ち味とする血と相性が良い。柔らかさを生かす方が良さそうなため、今後ナスキロの血も重要になってくるだろう。
父サトノクラウン×母ハーツクライの配合はメイショウコギクが新馬勝ち。この配合では、Hero’s Honorとビューパーダンスがニアリーな関係(Northern Dancer、Nothirdchance≒Revoked、Searching≒Busanda)にあるので、ナスキロ+Tom Foolをいじるのが適切な印象を持つ。本馬はその血がなく、むしろパワーを強く伝える牝系であるため、柔らかさとは真逆な点はマイナスになりそう。
繁殖レベルは高そうではあるものの、サトノクラウンの成功配合がまだ分からない現状では強く推せない。


27.プルメリアスターの21

募集価格4000万円 牡 手塚厩舎 ノーザンF生産
父ハービンジャー 母父ゼンノロブロイ

Bering3×4を持つことにより、Wild Riskのナタ斬れが強く出るだろう。出世に課題を残すものの、牡馬であればベストリゾート、アランデルと全2頭勝ち上がっている。あとは、父ハービンジャー×母父ゼンノロブロイの配合はいかにも相性が悪そうな点がどうか。募集価格ほど稼げるか疑問。見送り。


28.マイティスルーの21

募集価格3000万円 牡 ○○厩舎 ノーザンF生産
父ハービンジャー 母父クロフネ

左前蹄に痛みが確認されたため、募集取り下げ


29.ヒカルアモーレの21

募集価格2400万円 牡 戸田厩舎 社台コーポレーション白老F生産
父リアルインパクト 母父クロフネ

フレンチデピュティの血を持つリアルインパクト産駒は4/8頭勝ち上がり。北米パワーを増幅するため、牡馬はダートに出る傾向にある。一方、祖母グレイトフィーヴァーはフレンチ斬れを持ち味にしている。それだけに、ダート的パワーとフレンチ斬れという真逆の方向性を持つ点で好ましくない。
ノーザンFの意向的にも良くなく、手が出ない。


30.コケレールの21

募集価格1800万円 牝 小島茂厩舎 ノーザンF生産
父リアルインパクト 母父Zamindar

母コケレールはThe Minstrel≒Nijinsky3×3を持ち、ナスキロ+フレンチ斬れが持ち味。体質的な問題やパワー不足の懸念がある繁殖なだけに、クロスの薄いパワー血統の種牡馬リアルインパクトと合いそうな印象を持つ。

ただ、特段強調できる配合もなく、そもそもリアルインパクト産駒の期待値が低い、繁殖レベルに問題があるなど懸念点も多い。厩舎はノーザンF関連クラブでは結果が出ているものの、ノーザンFの意向としては微妙。手が出しづらい。


31.アイヴィベルの21

募集価格4600万円 牡 栗田徹厩舎 レイクヴィラF生産
父レイデオロ 母父Archarcharch

セレクトセール1歳3300万円で落札。
母アイヴィベルはヒューマナディスタフS(米G1・D7.0f)2着、オグデンフィップスS(米G1・D8.5f)2着の実績。
本馬は、Mr.Prospector4・5×5・5、Kris S.4×4、Nureyev5×5、Sex Appeal≒Playmate6×5、Alzao≒Storm Catのニアリークロス5×4などの強い父母相似配合。レイデオロはTom Fool≒Atticaの機動力が強みの配合で、母アイヴィベルが持つTom Fool≒First Rose6×6・7により、その血を増幅している点に好感が持てる。また、レイデオロがBusanda=Blue Eyed Momo≒Strikingを持ち、Courtly Deeとニアリークロスになる点も良い。母の良さ・母の競走能力が引き出されそうなだけに、ダートで堅実に走ってきそうな印象だ。
レイデオロの成功配合・母の繁殖レベルが分からず、期待値判断が難しいことから割高感は否めないが、一発狙いも含めて未知の魅力に賭けてみたい1頭。


32.マリアライトの21

募集価格5000万円 牝 久保田厩舎 ノーザンF生産
父レイデオロ 母父ディープインパクト

本馬はKingmambo3×4、ウインドインハーヘア4×3を持つ父母相似配合。母の競走能力に依存するだけに、母がG1 2勝という点では額面上は大物感十分。しかし、キングカメハメハ系のKingmamboクロスはRibot肩になる傾向が高く、パワー過多で芝の柔らかいキレが削がれる可能性が懸念される。個人的には逆ニックスだと思っている。
馬体が小さく、ダートに出てしまう可能性もあると考えると見送り。


33.スプリングゲイルの21

募集価格2400万円 牡 武藤厩舎 ノーザンF生産
父ミッキーアイル 母父キンシャサノキセキ

フジキセキの血を持つミッキーアイル産駒は、ララクリスティーヌ、ピンハイが活躍しているが、打率はあまり高くない。牡馬0頭とサンプルがない点がミソで、牡馬<牝馬の傾向から一層結果が出ないだろう。ミッキーアイル産駒牡馬はパワーとスタミナを強く伝えるため、本馬はおそらくダート馬に出るだろうし、スピードを強調しているだけに短距離ダートだと分が悪い。
武藤厩舎×ノーザンF関連クラブは、勝率自体は悪くないが、大きな活躍もほとんどない。走ったらごめんなさい。


34.コナブリュワーズの21

募集価格2400万円 牝 宮田厩舎 ノーザンF生産
父ミッキーアイル 母父キングカメハメハ

右前蹄を大きく欠損したため、募集取り下げ


35.ミセスワタナベの21

募集価格3000万円 牡 木村厩舎 ノーザンF生産
父オルフェーヴル 母父Tapizar

ノーザンテースト≒Vice Regent5・4×5とパワー増幅し、母がコテコテのダート馬であることから、本馬はダート馬になる可能性が高い。Vice Regent+Crafty Prospectorを持つオルフェーヴル産駒にはアルドーレが活躍している。種牡馬オルフェーヴルは近年ダート替りで結果を残し、芝・ダート問わない種牡馬でもあり、決してダート馬になることに悲観することはない。
あとは母にナスペリオンの血がない点がどうか。厩舎に悪いイメージがない方は出資してみても良さそう。


36.エンプレスティアラの21

募集価格2000万円 牡 青木厩舎 新冠橋本牧場生産
父シュヴァルグラン 母父クロフネ

Chief’s Crownの血はハーツクライと相性が良く、ハーツクライ・ジャスタウェイのニックス配合に該当する。種牡馬シュヴァルグランとも相性が良い可能性が十分。そうは言っても、3/4同血の半兄(父ハーツクライ)2頭が結果を出していないのに、本馬だけ突然走るとは考えづらい。
ノーザンFの意向としては良くなく、回収率100%越えになれば御の字といったところだろう。


37.ジンジャーパンチの21

募集価格5000万円 牡 萩原厩舎 ノーザンF生産
父スワーヴリチャード 母父Awesome Again

母ジンジャーパンチはBCディスタフ(米G1・D9.0f)などG1 6勝の名牝。産駒は7/8頭勝ち上がり、異なる種牡馬で好成績を上げている優秀な繁殖。母が強いクロスを持たないため、母の競走能力を強く引き出すためにクロスをキツく入れる方がベター。ルージュバックはそれで成功した。
本馬は、Halo≒Red God4×5、Boldnesian7×5、Promised Land6×5、Northern Dancer6・8×5、Mr.Prospector6×5、Wild Risk7×6、Olympia7・7×6という主要な血を増幅している点が秀逸。スワーヴリチャード産駒の成功配合が分からず、ダートに出てしまう可能性があるが、配合的には面白い1頭。
曰く付きの可能性がある萩原厩舎なだけに、その判断は馬体派に任せたい。馬体がまともなら。


38.トップランナーⅡの21

募集価格2400万円 牝 大竹厩舎 ノーザンF生産
父スワーヴリチャード 母父Thunder Gulch

配合的に強調材料がなく、母系から一本調子の走りになりそうな印象。スピード能力高く、勝ち上がることはあっても、その後頭打ちになる可能性が高い。
大成したらごめんなさい。


39.アンフィトリテⅡの21

募集価格5000万円 牡 田中博厩舎 ノーザンF生産
父ダイワメジャー 母父Sebring

母アンフィトリテⅡはMRC1000ギニー(豪G1・芝1600m)勝ち馬。強い父母相似配合であるため、自己主張が強く競走能力を伝える可能性が高い。
本馬はダイワメジャー産駒の黄金配合に近い血統構成。Halo≒Sir Ivor3×5・7・7/Alycidon≒Aureole7×6・7持ち。母・母父が中長距離馬でない点だけが満たさない。また、Southern Haloの血を持つダイワメジャー産駒は、6/8頭が勝ち上がり、ナックビーナス、スミレが活躍している。
Danehillパワー全開の大きな馬格で、母の良さが出ている印象を持つ。ダイワメジャー産駒でここまで高額なのは驚きではあるが、それだけデキが良いのかな。田中博厩舎からノーザンFの期待も感じる。ヒット~ホームランまで狙える1頭。


40.シンギングメリリーの21

募集価格2000万円 牝 矢野英厩舎 ノーザンF生産
父ダイワメジャー 母父Ghostzapper

Hennessyの血を持つダイワメジャー産駒は、3/6頭勝ち上がり、サンデージャック、ヒルダが活躍している。Blushing Groomの血もあることから、ダイワメジャー産駒の黄金配合に近い血統構成。この血が全面に出てればいいのだが、薄いクロスでしかないため、まったく効果が出ない可能性もある。母がコテコテの米国血統で、ノーザンテースト≒Vice Regentとパワーを増幅した配合なだけに、ダート馬になる可能性が高い。
矢野英厩舎×キャロットCは、勝率自体は悪くないが、大きな活躍はほとんどない。回収率100%越えを目標にするなら。


41.シークレットスパイスの21

募集価格4000万円 牡 黒岩厩舎 ノーザンF生産
父リアルスティール 母父Discreet Cat

母シークレットスパイスはビホールダーマイルS(米G1・D8.0f)勝ち馬。
ディープ×Storm Cat後継種牡馬にStorm Catをクロスさせると、ダートに出る可能性が非常に高い。牡馬であれば尚更。それ以外に強調材料がないと、大きな活躍はしにくく、配合的にはあまり良くない。母がTerlingua≒Weekend Surprise≒Secrettame≒Sir Ivorと「ナスキロ+Tom Fool」を多く持つことから東京ダートで開花すれば。
黒岩厩舎×キャロットCは勝ち上がり率が非常に高く、重賞好走馬も輩出している。勝ち上がることはあっても大きな活躍は厳しい。


42.モアザンセイクリッドの21

募集価格2000万円 牝 勢司厩舎 ノーザンF生産
父リアルスティール 母父More Than Ready

本馬は、ディープ後継種種牡馬の狙いであるStorm CatいじりであるCaerleonの血、Donatello+Hyperionのクロス(Burghclere≒Welsh Flame4×5)を持つ点が好感。ただ、Eight Thirtyをいじる北米パワー増幅の血はなく、More Than Readyがタメを利かす走りと逆行する血である点が気掛かりだ。
リアルスティール産駒はやや緩さを残すためかパワーを補完させた方がベター。Danehillの血を持つ本馬は一見良さそうに思えるが、5月生まれを考慮しても馬体があまり大きくなく、Danehillの強靭な後躯パワーが伝わっていない可能性が高い。牝馬でこのタイプは大きなマイナス材料。
ノーザンFの意向としては良くなく、繁殖レベルも高くない。走ったらごめんなさい。


43.ビットレートの21

募集価格2800万円 牝 萩原厩舎 ノーザンF生産
父ドレフォン 母父スペシャルウィーク

父ドレフォン×母父スペシャルウィークは現2歳馬を除き、全2頭勝ち上がり。Storm Catとマルゼンスキーがニアリーな関係にあり、それが要因で相性良いのだろう。Deputy Minister5×4を持ち、牝系がスルーオールであることからダートに出る可能性もある。
ドレフォン産駒牝馬はUnbridled、フジキセキなどのニックス配合でないとあまり出世しない傾向にある点がどうか。個人的にはドレフォン産駒牝馬は敬遠気味。


44.ウインジュビリーの21

募集価格3000万円 牡 鹿戸厩舎 新冠橋本牧場生産
父リオンディーズ 母父シンボリクリスエス

セレクトセール当歳1650万円で落札。
リオンディーズは父母相似配合であるため、母は非Northern Dancerが良い。また、エピファネイアで成功したようにHabitat≒Kris S.を実現させる配合では、テーオーロイヤル、ショウナンアーチが活躍している。
父キングカメハメハ系×ステラマドリッド牝系の牡馬は、4/5頭勝ち上がり、バーナードループ、ゼンノワスレガタミが活躍している。パワーが強く伝わるためダートに出る可能性はあるが、堅実に走ってくるだろう。


45.コルコバードの21

募集価格3600万円 牡 木村厩舎 ノーザンF生産
父ルーラーシップ 母父ステイゴールド

父キングカメハメハ系×母父ステイゴールドは合わない。強調できる配合もない。
走ったらごめんなさい。


46.ピースエンブレムの21

募集価格4400万円 牡 宮田厩舎 ノーザンF生産
父シルバーステート 母父ウォーエンブレム

母ピースエンブレムはOur Emblem≒ヘクタープロテクター2×2という強烈な父母相似配合で自己主張が強い。母の産駒がいつ走るのかと期待しているが、体質が弱いからかなかなか結果が出ない。馬体が大きく出ただけに3/4半兄のノーブルエンブレムのようにならなければいいが。血統的な魅力はあるものの、ピンパーの期待値を考えると敬遠したい。


47.ティンバレスの21

募集価格3000万円 牡 中川厩舎 ノーザンF生産
父ヘニーヒューズ 母父ウォーエンブレム

Kingmamboの血を持つヘニーヒューズ産駒牡馬は、現2歳馬を除き、18/27頭勝ち上がり、1頭当賞金約2000万と上々の成績。しかし、なぜかヘニーヒューズ産駒は母父米国血統だと成績が芳しくなく、ヘニーヒューズの配合的な狙いである北米パワー増幅血統すらないと活躍しない。また、母父ウォーエンブレムも父米国血統だとなぜか走らない。
配合的な懸念点が多く、ノーザンFの意向としても微妙。手が出ない。


48.バイラオーラの21

募集価格1600万円 牝 辻厩舎 社台コーポレーション白老F生産
父マインドユアビスケッツ 母父トワイニング

3/4 Northern Dancer、緊張→緩和、Roberto×Mr.Prospector×Nureyevと配合的には悪くなさそう。名血Courtly Deeをしっかりいじれてはないものの、Iron Maidan≒Tulleのクロスを持つ。父マインドユアビスケッツと同牝系のトランセンド×Courtly Deeのように、勝ち上がりは狙えそうな印象だ。
マインドユアビスケッツ産駒は、牡馬はダート/牝馬は芝短距離の傾向があるものの、上記の配合はダート的なパワーを増幅する配合なだけに苦戦しそう。勝ち上がりが目標か。


49.ヒルダの21

募集価格2000万円 牡 西田厩舎 社台コーポレーション白老F生産
父ミッキーロケット 母父ダイワメジャー

父ミッキーロケットは、Mr.Prospector3×5、Northern Dancer5・5・7×5・5(Nureyev4×4、Nijinsky6×4)、Never Bend6×6という父母相似配合。産駒がすでに3頭勝ち上がっており、まったく走らないわけではなさそう。Secretariat+Icecapadeの血を持つ馬が2頭勝ち上がっており、この配合パターンはリオンディーズ産駒が活躍している。ミッキーロケット産駒の成功配合は分からない現状では、リオンディーズ産駒と同じような考えを持つ方が良いだろう。
その考えていくと、本馬の配合は強調できる材料はない。ダイワメジャー×マネーキャントバイミーラヴがいかにも相性良いという点でどのくらいやれるか。牝系のポテンシャル、小柄に出た初仔、ノーザンFでの実績がない厩舎とリスクが多い印象。手が出しづらい。


50.キャントバイミーラヴの21

募集価格3000万円 牝 田村厩舎 外国生産
父No Nay Never 母父War Front

祖母TogetherはQE二世チャレンジCS(米G1・芝9.0f)勝ち、欧州G1 2着5回の実績馬。セレクトセール1億1550万円の値が付いたアグリとは異母3/4同血にあたる。
No Nay Never産駒の成功配合は分からないが、米国血統を入れるのが重要な印象で、Alcohol Free、Ten Sovereigns、Blackbeardの欧州GⅠ馬3頭はスピードを補完の強いDanzigの血を持つ。
本馬は母父が世界的な名血War Frontとスピード補完がしっかりできている。母父としては日本の馬場と相性が良く、ララクリュサオル、ヴァルキュリア、ノクターンノーツが活躍している。ナスキロの血も増幅しており、母母父Galileoでも重厚すぎることもない。
ノーザンFの意向として微妙ではあるが、厩舎自体は悪くない。出資検討してみても。
筆者は外国産馬・持込馬の出資を自制中のため、後ろ髪引かれつつ敬遠。


つづく