昨年のまとめ短評が好評だったため今年も書いてみました。
思考の整理を目的としており、各馬の信憑性に差があります。参考程度に。
特に今年は難しかった。
44.ウィクトーリアの21
募集価格6000万円 牝 中内田厩舎 ノーザンF生産
父ロードカナロア 母父ヴィクトワールピサ
祖母ブラックエンブレムはOur Emblem≒ヘクタープロテクター2×2を持つ自己主張が強い繁殖。Numbered Account=Playmate全姉妹クロスを持ち、これが体質を締める方向に働きそうなのは好感。血統評論家・望田氏はこのクロスを生かす配合(非SS系種牡馬)の方が合うと主張しており、今回本馬が初の配合パターン。Specialの血がなくとも大物になっても不思議ではない。
仮にそれが上手くいかなかったとしても、ブラックエンブレムのようなポテンシャルの高い強烈な父母相似配合は、牝系に入っても大きな影響力を伝える。堅実に走れる保険も大きい。懸念点は中内田厩舎の調教パターンがロードカナロア産駒とあまり相性が良くないくらいか。
割高感は否めないが、堅実に走れて大物狙いまでできる1頭。
愛馬の仔のため若干贔屓目。
45.パーシーズベストの21
募集価格4500万円 牝 安田隆厩舎 ノーザンF生産
父ロードカナロア 母父ディープインパクト
父ロードカナロア×母父ディープインパクトは緩さを強く出すため、母方からパワーを補完する必要がある。特に牝馬はその傾向が強く、総賞金上位馬の多くはDanzigの血を併せ持つ。本馬の祖母にDeputy Minsterの血はあるのでまったく走らないことはなさそうだが、全体的に緩さを残す可能性が考えられる。
ロードカナロア産駒×安田隆厩舎のニックス配合に期待か。
46.サロミナの21
募集価格7000万円 牝 池添学厩舎 ノーザンF生産
父ハーツクライ 母父Lomitas
Danehill×Nijinsky×Ribotの血はハーツクライ産駒のニックス配合。この配合の牝馬はアロハリリーやシャドウディーヴァが活躍している。全兄サリオス同様の活躍を期待したくなるところだが、牝馬だと活躍する確率が下がり、募集価格に対して期待値が割に合わない印象だ。
G1馬の全弟妹は出資しないという宗教上の理由によりケン。
47.インヘリットデールの21
募集価格6000万円 牡 高野厩舎 ノーザンF生産
父エピファネイア 母父ルーラーシップ
祖母フサイチエアデールはマイラー的なパワーを強く伝え、2歳戦から早期に活躍する傾向が強い。それだけに、種牡馬エピファネイアといかにも相性が良さそう。また、エピファネイア×ルーラーシップも、全2頭が2歳新馬戦を勝利しており、活躍馬は出ていないが配合的にも良い。
大物になる可能性十分。初仔リスク×高野厩舎を許容できれば。
48.ボニーゴールドの21
募集価格4000万円 牝 須貝厩舎 社台コーポレーション白老F生産
父エピファネイア 母父ディープインパクト
父エピファネイア×母父ディープインパクトは緩さを強く出すため、締める血やパワーを補完する血が重要。本馬はその血がないことからも配合的に強調材料がなく、晩成に出る可能性が高い。須貝厩舎の調教パターンもエピファネイア産駒と合わなそうで手が出ない。
49.キープシークレットの21
募集価格4000万円 牡 杉山厩舎 ノーザンF生産
父ドレフォン 母父ダイワメジャー
父ドレフォン×母父ダイワメジャーは現3世代で全3頭ダート勝ち上がり。Storm Catとスカーレットブーケがニアリーな関係、Vice Regent≒ノーザンテーストにより、ダート的な米国パワーを増幅させたためだ。また、本馬の祖母ウーマンシークレットがSadler’s Wells≒Nureyev 1×3という強烈な父母相似配合で、自己主張が強い欧州的なスタミナも兼備。
血統の見解が分かれそうな気もするが。筆者としてはスピード不足の懸念が拭えなかった。芝・ダートどちらに出るか明確ではないが、勝ち上がってから苦戦しそうな印象だ。
50.レーヴドリーブの21
募集価格2800万円 牝 矢作厩舎 ノーザンF生産
父ドレフォン 母父オルフェーヴル
オルフェーヴル産駒はVice Regentの血が入るとダート的なパワーがONになる傾向があるだけに、母父オルフェーヴルでも同様の傾向が出る可能性が考えられる。一方、種牡馬ドレフォンは母の良さを引き出す種牡馬なだけに、レーヴドスカーの柔らかいフレンチ斬れが伝わる可能性もある。
ダート的なパワーとフレンチ斬れが相反しそうな配合なだけに、馬体派はどちらが強く出ているかを見てもらいたい。レーヴドスカーは祖母だとなぜかあまり走らないこともあり、やや出資するにはリスクがある印象。
51.メジロオードリーの21
募集価格3200万円 牝 松永幹厩舎 レイクヴィラF生産
父ドレフォン 母父スペシャルウィーク
父ドレフォン×母父スペシャルウィークは全2頭勝ち上がり。Storm Catとマルゼンスキーがニアリーな関係にあり、スペシャルウィーク×Storm Catがニックスな配合だと言われた時代があったように相性が良いことは間違いない。また、祖母メジロドーベルはスタミナを強く伝えること考えると、スピード×スタミナのバランスも良く、上級条件で活躍する可能性あり。
母の産駒の多くはデビューできないことがあるだけに馬体に問題なければ。
52.アルジャンテの21
募集価格3000万円 牡 茶木厩舎 社台コーポレーション白老F生産
父ハービンジャー 母父ディープインパクト
父ハービンジャー×母父ディープインパクトは近年の流行配合。牡馬に限れば、17/34頭勝ち上がり、1頭当たり賞金約2000万円は上々の内容。また、祖母がスピードを強く伝えるスプリンターなのも大きなプラスで、ヒンドゥタイムズ、ハッピーアワー、プレサージュリフトなどOP馬まで活躍する可能性も。
茶木厩舎は近年成績が上昇している注目の厩舎。転厩後に一変する馬も多く、ダート成績が優秀なのが特徴。ノーザンFと関係は薄いが、今後活躍する可能性も十分。
馬体がやや小さいのが課題も成長してくれば面白い1頭。
53.カリンバの21
募集価格2400万円 牝 松下厩舎 ノーザンF生産
父ハービンジャー 母ルーラーシップ
キングカメハメハ×エアグルーヴの血を持つハービンジャー産駒は注目すべき配合パターン。ただ、この配合はナスペリオンを強く引き出すことから牡馬>>牝馬の傾向が強い。また、牝馬は走らないマンデラ牝系というのも、血が薄くなっても懸念される。
松下厩舎は栗東坂路調教メインでハービンジャー産駒と合わない点もあり、越えるべき課題が多い。額面上の血統は良いが、結果が出るまでは見送り。
54.プリンセスロックの21
募集価格3500万円 牡 斉藤崇厩舎 ノーザンF生産
父モーリス 母スウィフトカレント
セレクトセール当歳2420万円で落札。半姉ブトンドールは函館2歳S勝ち。
Nijinsky 3×4を持つ祖母ノーストバードに、Halo2×4を持つスウィフトカレントされた母プリンセスロックは5代アウトという緊張→緩和が綺麗な配合。そこにモーリスを交配させ、3/4 Nothern Dancerと緊張→緩和を満たしながら、Nothern Dancer 5・6・6・6×6・7、Halo 5×4・6と母の良さを増幅させた好配合馬。
キレる脚が使えないモーリス産駒にHaloとFlaming Page≒Tom Foolの俊敏さを補完させている点も好感。母の繁殖レベルが高い可能性もあり、ノーザンFの意向で注目の斉藤崇厩舎となれば、一発あってもおかしくない。
55.ソーディヴァインの21
募集価格4000万円 牡 西村厩舎 ノーザンF生産
父モーリス 母キンシャサノキセキ
3代母スペシャルアラートは米国的なスピードを強く伝える傾向があり、Salder’s Wells=Fairy King全兄弟4×4持ちの牡馬でもスピード負けはしないだろう。ベレヌスのように前受けできるようになれば。配合的に強調材料はなく、割高な印象。
56.リアアントニアの21
募集価格4000万円 牝 武幸厩舎 ノーザンF生産
父モーリス 母Rockport Harbor
体調が整わず、募集中止
57.オリエンタルダンスの21
募集価格2400万円 牝 安田翔厩舎 社台コーポレーション白老F生産
父モーリス 母キングカメハメハ
父モーリス×母父キングカメハメハ×母母父SSは勝ち上がり率が非常に高いが、なぜか牝馬の成績が非常に悪い。ダート馬に出てしまう可能性あり、手が出しづらい。
58.プリティカリーナの21
募集価格5000万円 牡 池江厩舎 ノーザンF生産
父ドゥラメンテ 母Seeking the Gold
母プリティカリーナは米国的なスピード血統が濃く、産駒は牡馬>牝馬の傾向が強い。エクレアスパークル、アンタラジー、ジャミールフエルテと全3頭勝ち上がり、1頭当たり賞金約6700万円と優秀で、近年産駒が走ってないのは牝馬であることが要因と考えていいだろう。
母が米国血統のドゥラメンテ産駒牡馬なので、ダート馬に出てしまう可能性も高そうだが、それはそれでエクレアスパークルのように活躍してくれれば。
59.ビッグワールドの21
募集価格3000万円 牝 高橋義厩舎 ノーザンF生産
父ドゥラメンテ 母Custom for Carlos
母ビッグワールドはラトロワンヌS(米G1・ダ8.5f)勝ち馬。
Eight Thirty≒War Relic≒Good Exampleの北米パワーを増幅させた母の血統から、ダートに出る可能性が高い。牝系のポテンシャルは高いため勝ち上がる可能性はあるが、ノーザンFの意向としても微妙なだけに、大きな活躍を考えると手が出しづらい。
60.ガルデルスリールの21
募集価格3500万円 牡 武英厩舎 ノーザンF生産
父ルーラーシップ 母ダイワメジャー
緩い種牡馬が多くなったためか体質を締める母父ダイワメジャーが近年のトレンド。父ルーラーシップ×母父ダイワメジャーは打率は悪いが、アルサトワやストライプが活躍している。母の産駒がまったく違う傾向の種牡馬で全3頭とも早期に勝ち上がっており、勝ち上がる可能性は十分も大きな飛躍となると課題を残す。アスクヒーローのようにどこかで頭打ち感は否めない。
つづく
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