21．レディバードの21
募集価格2400万円 牝 宗像厩舎 ノーザンF生産
父ルーラーシップ 母父スマートファルコン
Nureyev5×5、Kingmambo≒クラウンドプリンス3×5とパワーがONになりやすい血統構成で、明らかにダート馬。祖母シーズインポッシブルのポテンシャルから勝ち上がる可能性はありそうだが、ルーラーシップ産駒のダート牝馬で出世を狙うのは期待値が低い。
22．チリーシルバーの21
募集価格4000万円 牡馬 萩原厩舎 ノーザンF生産
父キズナ 母父Malibu Moon
キャットクイルとJohannesburgがニアリークロスな関係（Storm Cat、Damascus、Acropolis＝Alycidonが共通）にあり、本馬は名繁殖キャットクイルのパワーを増幅した血統構成。それに加え、Johannesburg自体がStorm Cat≒Narrateのニアリークロスを持つだけでなく、MalibuMoonにはNijinsky、Bold Ruler＋Princequillo、Tom Foolの血、牝系の奥にはPetingoの血と、この配合を増幅する血が満載。
Storm Catのクロスを持つキズナ産駒は、打率が高くないものの、ローウェル、ハピが活躍している。ローウェルにように他に配合で推せる材料があれば問題なさそうなだけに、配合的に注目したい1頭。
馬体の成長・曰く付きを管理する可能性がある萩原厩舎と、馬体において潜在的なリスクがあるだけに馬体派にピンパーの見極めを託したい。
23．ブラックエンブレムの21
募集価格5000万円 牝馬 宮田厩舎 ノーザンF生産
父キズナ 母父ブラックエンブレム
キズナ産駒で重要となるStorm Catをいじる好配合馬ではないが、ウォーエンブレム×「Hyperion＋Donatello」の血を持つキズナ産駒牝馬は堅実に走り、アネゴハダ、リトルクレバー、イリマなどが活躍している。母のポテンシャルが高く、Our Emblem≒ヘクタープロテクター2×2を持つ自己主張が強い繁殖なだけに、大物になる可能性も十分。
24．シャトーブランシュの21
募集価格7000万円 牝馬 木村厩舎 ノーザンF生産
父キズナ 母父キングヘイロー
母はどんな種牡馬を交配しても上級条件まで走る優秀な繁殖。3代血統表以内にダンシングブレーヴの血を持つキズナ産駒は、7／13頭が勝ち上がり、ディープボンド、ヤシャマル。フラーズダルムなどが活躍している。唯一の欠点は「Hyperion＋Donatello」の血がないことくらい。重賞戦線で活躍を期待したい1頭。
25．プロミストリープの21
募集価格2000万円 牝馬 新規開業厩舎 ノーザンF生産
父オルフェーヴル 母父ヘニーヒューズ
ステイゴールド系種牡馬×フジキセキはニックス配合で、ヘリオス、ヴォージュ、ライラックなどが活躍。本馬は母父ヘニーヒューズなので、母父クロフネ・フレンチデピュティなどと同じような走りが期待できそう。
オルフェーヴル産駒は現在ダート種牡馬のような成績なだけに、ダート馬として活躍を期待したくなる。それだけに初仔で小柄に出てしまったのがとにかく残念。
26．シェアザストーリーの21
募集価格2000万円 牝 金成厩舎 社台コーポレーション白老F生産
父キタサンブラック 母父コマンダーインチーフ
チャーミングストーリー牝系は短距離馬を輩出するスピード血統。キタサンブラック産駒は総じて鈍重なところがあるため、Haloの血やスピード補完する繁殖である点は好感が持てる。ただ、本馬の牝系の系譜はダート馬になりやすい傾向が強く、キタサンブラック産駒牝馬のダート馬は欲しくないというのが正直なところ。
27．イストワールファムの21
募集価格4000万円 牡 古賀慎厩舎 ノーザンF生産
父サトノダイヤモンド 母父ローエングリン
サトノダイヤモンド産駒の牡馬はスタミナが勝っている印象で、血統評論家・望田氏もマイラーとの配合が良いと主張されるようにスピード補完が重要。本馬はDevil’s Bag＝Glorious Song全姉弟クロス5×4を経由した、Halo 4・5・6×5・5とスピード補完している点に好感が持てる。
ただ、全体的な血統は欧州型スタミナで固められており、母はマイラー的なスピードタイプではなく、ナスペリオン血脈の走りだった。それだけに欧州型スタミナに振れてしまう可能性も否定できない。馬体が分かる方はHalo的な素軽さが伝わっているかを見ていただければ。
28．ポーレンの21
募集価格2800万円 牡 新開厩舎 社台コーポレーション白老F生産
父リアルインパクト 母父Orpen
母の産駒は牡馬だと大きく出すぎる傾向あるのだが、本馬は小柄に出た。パワーの強い血統構成なのに小柄な牡馬と評価するのが難しいが、普通に考えれば良くない。リスク回避で見送り。
29．サダムグランジュテの21
募集価格1500万円 牝 西田厩舎 社台コーポレーション白老F生産
父リアルインパクト 母父キングカメハメハ
この牝系は北米パワーを強く伝えるだけに、父リアルインパクトのトキオリアリティーのパワーがONになる可能性が高い。ダート馬になる可能性が高く、リアルインパクト産駒牝馬ではあまり推せない。
30．ミュージカルウェイの21
募集価格6000万円 牡 木村厩舎 ノーザンF生産
父リアルスティール 母父Gold Away
母ミュージカルウェイはRivermanのフレンチ斬れを伝える。リアルスティール産駒の成功配合が分かっていないが、血統予想家・亀谷氏が「種牡馬リアルスティールはフランス血統・ドイツ牝系との相性が良さそう」と主張されており、Kingmamboと相性の良い血を狙っていくのがベターだろう。Rivermanはまさにフレンチ斬れを伝える代表的な血。配合の方向性は非常に良い。
セレクトセールで想像以上の安さに対する曰く付き感・募集価格が盛られすぎ・木村厩舎という頭を悩ませる案件。リアルスティール産駒の成功配合が分からない現状ではリスク回避で見送り。
31．レツィーナの21
募集価格2400万円 牝 高橋文厩舎 ノーザンF生産
父リアルスティール 母父キャプテンスティーヴ
母レツィーナの産駒は全8頭勝ち上がりという優秀な繁殖。Monevassia（＝Kingmambo）×ブライアンズタイムの形になるのは好感だが、ダートに出る可能性も。
ノーザンFの意向としては微妙で小柄な牝馬。見送り。
32．ユキチャンの21
募集価格4000万円 牡 宮田厩舎 ノーザンF生産
父ヘニーヒューズ 母父クロフネ
ヘニーヒューズ×フレンチデピュティはニックス配合。勝ち上がり率約40％弱で、フルヴォート、ケイアイロベージ、レッドゲイルなどが活躍。近年はこの配合の成績が著しく向上し、先に挙げた馬たちも今後飛躍するだろう。牝系のポテンシャルも高く、上級条件まで活躍する可能性あり。
33．アズールムーンの21
募集価格3000万円 牡 田中博厩舎 ノーザンF生産
父ブラックタイド 母父Malibu Moon
Unbridled’s Songの全弟Spanish Stepsの血を持つ点が好感。Unbridled’s Songの血を持つブラックタイド産駒牡馬は全3頭勝ち上がり（うち2頭はStorm Cat持ちだが）。好配合馬ではないが、母系のポテンシャルからダートで堅実に走る可能性も。
34．サンドミエシュの21
募集価格1500万円 牝 青木厩舎 坂東牧場生産
父リオンディーズ 母父マンハッタンカフェ
父リオンディーズ×母父マンハッタンカフェは、テーオーロイヤル、リプレーザ、テーオーラフィットなどが活躍。現2歳世代を除き、5／8頭勝ち上がり、1頭当たり賞金3000万円を超える。母が5代アウトでクロスが薄い血統構成なだけに、緊張→緩和のリズムも満たす綺麗な配合。
繁殖レベル、ドイツ牝系の牝馬・馬体の大きさなど越えるべき課題が山積み。厩舎・ノーザンFの意向としても評価できず、血統しか走る根拠がない。
35．ヴァイスハイトの21
募集価格3000万円 牡 池上厩舎 ノーザンF生産
父ブリックスアンドモルタル 母父アドマイヤベガ
ブリックスアンドモルタルがRobertoの血を持つことにより、「Roberto×Mr.Prospector×Nureyev」のダート黄金配合を実現させた本馬。シンボリクリスエスやクロフネと相性が良い根拠の１つ。クルークハイト、ヴァイトブリック、ロスヴァイセなどと同様の活躍を期待したいが、母ヴァイスハイトがHalo 3×4、Northern Dancer 4×4（Almahmoud 5・6×6・6・6）と濃い血を持つため、Northern Dancerの血が薄い種牡馬の方がベター。
ギャンブルしても良いなら出資検討してみても。
36．バラダガールの21
募集価格3000万円 牡 尾関厩舎 ノーザンF生産
父ニューイヤーズデイ 母父ハーツクライ
ニューイヤーズデイはハーツクライと相性抜群のHelen Street、Capoteの血を持つ。ニューイヤーズデイの成功配合は分からないものの、血統理論ではこの血が合うのは間違いない。血統評論家・望田氏もニューイヤーズデイ×ハーツクライには注目しており、セレクトセール上場馬に対して総じて馬体が良いと太鼓判。
本馬の母がLyphardのクロス＋ハイインローという前受けして粘る配合なだけに、スピードを補完する米国血統という点でもプラスに働くだろう。未知の魅力が大きい1頭。
37．ルナリアの21
募集価格1400万円 牝 田島厩舎 アイオイF生産
父ニューイヤーズデイ 母父ネオユニヴァース
ニューイヤーズデイ×ネオユニヴァースは、ネオユニヴァースのPretty Polly＝Mirandaをしっかりいじった配合になり、比較的相性が良さそうな印象ではある。ただ、配合的に大きな強調材料とまでは言えない。
遅生まれにしては小柄で、厩舎・ノーザンFの意向から厳しい。走ったらごめんなさい。
38．イルーシヴグレイスの21
募集価格3000万円 牝 蛯名義厩舎 ノーザンF生産
父レイデオロ 母父ディープインパクト
ウインドインハーヘア4×3。個人的な見解では、ウインドインハーヘアの傾向から、牡馬はスタミナ・牝馬はスピードを伝えると考えている。そのため、本馬のような欧州血統でも牝馬なら問題ないように思える。
父キングカメハメハ系×母父ディープ×Danzigの配合はディープの非力さを解消させることから、キセキ、ファンタジスト、ドナウデルタ、エヒトなどが活躍している。母父ディープ＆初仔でやや小柄に出た印象なだけに、成長してDanzigパワーが伝わるかどうか。
39．マチカネタマカズラの21
募集価格2000万円 牡 中館厩舎 ノーザンF生産
父アルアイン 母父Kingmambo
母マチカネタマカズラはNureyev≒Sadler’s Wells 3×3、Nashua≒Nantallah 4・6×4・7という濃いパワー血統。これだけパワーが強い繁殖なだけに、柔らかい種牡馬（＝緩さを出しやすい種牡馬）と相性が非常に良い。または、アルコレーヌのようにその血を増幅させてパワーに寄せてしまうのも悪くないだろう。
アルアインの母ドバイマジェスティがNashua6・6×5を持っていることから、アルコレーヌのようにパワーを増幅した方向に働くだろう。緊張→緩和が綺麗な配合で母の良さを出しそうなだけにダートで活躍する可能性あり。
40．アガルタの21
募集価格2800万円 牡 稲垣厩舎 ノーザンF生産
父スワーヴリチャード 母父キングカメハメハ
母アガルタの産駒は6／7頭勝ち上がりの優秀な繁殖。祖母ブロードアピールの牝系は牡馬に限ると、12／14頭勝ち上がり、1頭当たり賞金約7600万円と安定感抜群。また、Broad Brushの3代母Hidden Talentがハーツクライと相性が非常に良く、24／47頭、1頭当たり賞金約3000万円弱。実際、本馬の3/4半兄姉のプロレタリアト、ジオフロントが活躍している。
あとはスワーヴリチャード産駒がどのような傾向が出るかが問題。個人的な見解では、ジャスタウェイ産駒と同様に、米国的なスピードが伝わりやすい、Danzigなどでパワーを補完する必要があると考えている。パワー不足がなければ。
41．ローズウィスパーの21
募集価格1800万円 牝 加藤士厩舎 ノーザンF生産
父スワーヴリチャード 母父ワークフォース
母はナスペリオン血脈・締める血が多くあるため、ハーツクライとの相性が良さそう。スワーヴリチャード産駒は米国なスピードが強く、Northern Dancerの血が薄いため、本馬のような配合でも重苦しさはない。あとは、ハーツクライおよび後継種牡馬の傾向から、スワーヴリチャード産駒の牝馬は率が悪くなる点がどうか。
ワークフォース産駒牝馬が走らない中で結果を残した母なだけあって、実は繁殖レベルが高い可能性もある。ややギャンブルにはなるが、安価なだけに出資検討してみても。
42．カーミングエフェクトの21
募集価格5000万円 牡 木村厩舎 ノーザンF生産
父Frankel 母父War Front
母カーミングエフェクトは未出走。祖母Emollientはアメリカンオークスなど米国芝ダートG1 4勝。5代母Coup de GenieはMachiavellianの全妹。
Danhill経由のDanzig4×3のパワー溢れた血統により馬体が大きく出た印象。Frankel×米国G1血統というのは大物配合パターンではあるものの、特段配合的な強調材料はなく、むしろDanzigのクロスは良くないと考える。いかにも去勢しそう。
43．デルフィニアⅡの21
募集価格4000万円 牝 国枝厩舎 ノーザンF生産
父No Nay Never 母父Galileo
母デルフィニアⅡは英BCフィリーズ＆メアズS②着馬、祖母Againは愛1000ギニー（愛G1・芝8f）などG1 2勝。
Strom Cat系は母の良さを引き出す傾向があるだけに、Galileo×Danehill Dancerは重厚すぎる印象。No Nay NeverはVaguely Nobleの揉まれ弱さが伝わりやすい傾向にあり、逃げると特に強い種牡馬。それだけに母系には米国的なスピードがそれなりに欲しいところ。
つづく
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