関西馬まとめ短評(No.66~88) キャロットクラブ 2021年度募集

66. プラチナブロンドの20

募集価3200万円 牡 橋口慎厩舎 ノーザンF生産

父サトノダイヤモンド 母父ジャングルポケット

Bonita Francita≒Coup de Folie 3/4同血クロス4×5を持つ。この名繁殖クロスは望田氏が注目している配合だ。母が強い父母相似配合が影響してか、産駒がまだ1走もできていないという点で体質の不安がある。緊張→緩和のリズムの配合でもない。ギャンブルするにしては高額な印象。


67. ピースエンブレムの20

募集価2400万円 牝 池添学厩舎 ノーザンF生産

父サトノダイヤモンド 母父ウォーエンブレム

母ピースエンブレムはウォーエンブレム≒ヘクタープロテクター2×2という強烈な父母相似配合。これにより繁殖牝馬としての能力を強く引き出されているが、一方で産駒は総じて体質が弱く出る。Sir Ivorのクロスもあってスピード補完している点も好感で、体質がまともなら面白そうな1頭。リスクを許容できれば。


68. エレガントマナーの20

募集価3000万円 牡 藤岡厩舎 ノーザンF生産

父ハービンジャー 母父シンボリクリスエス

ハービンジャー×バレークイーン牝系は7/10頭勝ち上がり、1頭当たり賞金約2500万と悪くない内容。特に3/4 Northern Dancerの形になれば、ジェラシー、クラシックエース、エトワール3頭と堅実に結果を残している。バレークイーン牝系なのに大物感に欠ける点は残念ではあるが、一口馬主を楽しむ範囲なら出資検討しても良さそう。


69. アウェイクの20

募集価2000万円 牝 須貝厩舎 ノーザンF生産

父ハービンジャー 母父シンボリクリスエス

ハービンジャー×ディープインパクトで結果が出ているのはほとんどが牡馬。ハービンジャー×米国血統かつナスペリオン血脈がないことは大きなマイナス。走ったらごめんなさい。


70. ローズノーブルの20

募集価3600万円 牡 池添学厩舎 ノーザンF生産

父ルーラーシップ 母父ディープインパクト

ルーラーシップ×ディープインパクト牡馬は相性が良いが、活躍馬の多くが短距離的なパワーを母に持つ。本馬の祖母ヴィアンローズは中距離で活躍した柔らかいフレンチ斬れが持ち味なだけに、パワー不足という課題が残る。堅実に走りそうだが、大物感に欠ける印象。


71. ジュモーの20

募集価4000万円 牡 池江寿厩舎 ノーザンF生産

父ルーラーシップ 母父タニノギムレット

イメージ通り堅実に走りそう。池江寿厩舎もまったく問題ない。
https://blood-keiba.themedia.jp/posts/20692583


72. フォルテピアノの20

募集価2200万円 牡 音無厩舎 社台コーポレーション白老ファーム生産

父キンシャサノキセキ 母父フレンチデピュティ

キンシャサノキセキ産駒の好配合馬。安価な馬×音無厩舎が罠じゃないことを祈る。
https://blood-keiba.themedia.jp/posts/20612023


73. ピュアブリーゼの20

募集価1600万円 牝 茶木厩舎 ノーザンF生産

父キンシャサノキセキ 母父Monsun

緊張→緩和のリズムが綺麗な母ピュアブリーゼ。それをもう1回緩和する方向性は評価できない。繫殖レベルの問題もありそう。ドイツの血が強いので牡馬の方がいいのかな。
ノーザンFの意向としても微妙。走ったらごめんなさい。


74. グレイシアブルーの20

募集価4000万円 牡 清水久厩舎 ノーザンF生産

父サトノクラウン 母父サンデーサイレンス

3/4 Northern Dancer、1/4 SSの形。母がHabitatの前駆を強く伝えるため平坦コース向きに出やすい。京都競馬場改修により関西圏は阪神・中京がメインになる点で、本馬にとって大きなマイナスになるだろう。
種牡馬サトノクラウンをあまり評価しておらず、GⅠ馬の半弟ということで金額が盛られていることを考えると手が出ない。堅実には走りそう。


75. クレオールの20

募集価1400万円 牝 渡辺厩舎 ノーザンF生産

父サトノクラウン 母父チチカステナンゴ

3代母フランクアーギュメントはHyperion 5・7×6・6・7と長距離的なスタミナに富んだ血統。配合としての評価難しいものの、スピード補完するか配合で綺麗にまとめるかしたいところでその点で課題が残る。
欧州×欧州の非主流血統の牝馬は日本競馬にマッチしない印象で、小回り・非根幹向きになったとしても馬格がない点で不利になる。敬遠。


76. エスティタートの20

募集価2800万円 牡 松永幹厩舎 社台コーポレーション白老ファーム生産

父ジャスタウェイ 母父ドリームジャーニー

サンデーサイレンス 3×4、トニービン 4×3、Northern Dancer≒Icecapade 6・4×5・6・7という父母相似配合で、Hyperionの血が凝縮されている血統構成。祖母スキッフルがナスペリオンのナタ斬れを伝えるため、それを増幅させて持ち味にできる牡馬という点でプラス。配合的な評価が難しいが、好配合とまでは言えない。敬遠。


77. ココシュニックの20

募集価2200万円 牝 大久保龍厩舎 ノーザンF生産

父ジャスタウェイ 母父クロフネ

Chief’s Crownの血を持つジャスタウェイ産駒は、マスターフェンサー、ヴェロックス、ラブミーファインなどが活躍。現2歳世代を除くと、5/8頭が勝ち上がり、1頭当たり賞金約4400万になる。牝馬では大物は出ていないが、全3頭が勝ち上がっている。
3/4同血半姉グラニーズチップスは活躍していないものの、ハーツクライ×Bright Tiara牝系では3/5頭勝ち上がり。父がジャスタウェイに変わっても堅実に走ってくれるだろう。大物感が課題。


78. ピンクアリエスの20

募集価3600万円 牡 松永幹厩舎 ノーザンF生産

父シルバーステート 母父キングカメハメハ

母の産駒は牝馬しか走っていない点をどう見るかが最大のポイント。ディープ×Storm Catを実現させるディープ後継種牡馬で成功すると見れば、本馬も半姉同様に走る可能性十分だろう。
しかし、筆者としては悲観的に見ている。牡馬の3/4頭は騙馬になっている点からも気性的な課題が大きい。また、ディープ後継種牡馬も牡馬はパワー・スタミナ/牝馬はキレ・スピードに出る傾向にあることから、半姉のようにキレる脚が使えるかも疑問。
シルバーステート産駒も現状では牝馬が結果を出しており、手が出しづらい。敬遠。


79. ラテアートの20

募集価2000万円 牝 池江寿厩舎 坂東牧場生産

父シルバーステート 母父サクラバクシンオー

シルバーステート産駒は牝馬で活躍馬を多く輩出しており、その多くがHaloやDanzigなどスピードを補完することが重要。母父サクラバクシンオーはスピード補完とは言いづらく、半々の確率でスピードorスタミナに出る。また、なぜか牡馬しか走らない傾向があり、母の産駒で勝ち上がった2頭は牡馬だ。
血統傾向・配合・厩舎に一貫性がなくチグハグなのは好みではない。


80. シェルズレイの20

募集価5000万円 牝 高野厩舎 ノーザンF生産

父ダイワメジャー 母父クロフネ

ダイワメジャーの成功配合ではなく、ノーザンテースト≒Vice Regentを持つとパワーが強く出る傾向にある。ダイワメジャーの種牡馬としての活力が失われつつあり、近年この配合は成績が芳しくない。牝馬だとパワー過多の短距離馬・ダート馬に出てしまう。GⅠ馬の半妹ということで金額も盛られており、リスクが高すぎる。


81. シャンドランジュの20

募集価3000万円 牡 寺島厩舎 ノーザンF生産

父ヘニーヒューズ 母父マンハッタンカフェ

北米パワーは増幅してはいないものの、相性の良い血が多い。Blushing Groomの血を持つヘニーヒューズ産駒は現2歳世代を除き、勝ち上がり率70%、1頭当たり賞金約1800万円になる。また、母父マンハッタンカフェも相性が良く、牡馬であればハヤブサレジェンド・ガンケンが活躍。
堅実に走れる保険があって上級条件まで目指せる。ダート馬として一口馬主を存分に楽しめそうだ。


82. ホワイトミーティアの20

募集価1800万円 牝 吉岡厩舎 ノーザンF生産

父リオンディーズ 母父ゼンノロブロイ

分散大きくギャンブルにはなるが、一発あっても。
https://blood-keiba.themedia.jp/posts/20693373


83. リリウムの20

募集価2000万円 牡 平田厩舎 社台コーポレーション白老ファーム生産

父イスラボニータ 母父クロフネ

加藤征先生のコメントより、イスラボニータ産駒は気性的に難しいところがあるよう。その辺が影響して勝ち上がれないのが現状の課題。配合的にはナスキロ・ナスフリートの血が重要と現段階で見ている。
本馬は上記の血は薄いものの、フジキセキ×Deputy Ministerのニックス配合を意識した血統構成。現時点で馬体重586kgと非常に馬格が大きく、ダート中距離が主戦場になるだろう。祖母ベゴニアはスタミナとパワーに富んでいるだけに、本質的には牡馬の方が走ると見ている。この大きすぎる馬体でも問題ないと思える方は出資してみても。


84. グリューヴァインの20

募集価2200万円 牝 橋田厩舎 ノーザンF生産

父キズナ 母父ゴールドアリュール

キズナ産駒の牝馬はキレ・スピード型に出やすく、母が短距離ダート実績馬だと大物になる可能性もある。本馬の母はD1200m3勝とこの条件を満たす。
母マルティンスタークは全体的にクロスが薄く異系の血が強いだけに、本馬のように父母相似配合にしたこと自体は悪くない。ただ、母父ゴールドアリュールがあまり走っておらず、ダート適性が出てしまう点が不安。
ノーザンFの意向としては評価できず、配合的な魅力も薄い以上は手を出しづらい。


85. カニョットの20

募集価1800万円 牝 西園厩舎 社台コーポレーション白老ファーム生産

父スクリーンヒーロー 母父Sunray Spirit

「3/4 Northern Dancer、1/4異系」になる点は好感。スクリーンヒーロー産駒の牝馬はパワーが強く出てしまい、本質的には牡馬に比べて走らない。また、カニョットの産駒も勝ち上がるのが精いっぱいと繁殖レベルでも課題が残る。
配当的に強調材料がなく、ノーザンFの意向としても微妙。走ったらごめんなさい。


86. シンハリーズの20

募集価3200万円 牝 斉藤崇厩舎 ノーザンF生産

父リアルインパクト 母父Singspiel

繁殖牝馬として非常に優秀、どんな種牡馬を付けても勝ち上がって活躍する。牝馬だとキレる脚が使えるのが魅力。
リアルインパクトの母父・シンハリーズの母が異系の血が強く、異系を生かした配合ではない点で評価できない。母の産駒で一番走らなかったシンハディーパ(父ウォーエンブレム)もこの配合パターンだ。


87. グローバルビューティの20

募集価2600万円 牝 松永幹厩舎 ノーザンF生産

父Gun Runner 母父Global Hunter

現2歳世代の新種牡馬Gun Runner産駒は米国ですでに重賞勝ち馬2頭を輩出するなど、2歳戦から高い勝ち上がり率を残している。日本でもグランアプロウソが新馬勝ちを果たしており、ポテンシャルは高そうだ。
本馬の祖母Kiwi GirlはStravinsly≒Starlyte Girl 1×1というエグすぎる父母相似配合。グローバルビューティがアルゼンチンGⅠ勝ち馬だけにこの配合によって能力がしっかり伝われば、本馬だけでなくアワブラとしても楽しみが大きい。
本馬の配合はその父母相似配合を継続クロスしており、クロスがきつい印象。うまく能力が伝わればいいが、まったく走らない可能性もありそうだ。期待値の低いギャンブルになりそうなのは嫌いたい。


88. キャヴァルドレの20

募集価5000万円 牡 西村厩舎 ノーザンF生産

父War Front 母父Sunday Break

母父Sunday Breakの母がキャットクイルなので、ディープ後継種牡馬を付けるために繁殖牝馬として購入したのではないかと推測してしまう。
父War Front系は時計の掛かる芝1200~1400mに良績が集中しており、中京芝1200mを得意とする。配合的に強調材料がなく、高額で手を出しづらい。


89.90.91 地方馬は割愛