キングスローズの20 サンデーレーシングクラブ 2021年度募集

キングスローズの20 募集価格6000万円

牡 国枝厩舎 ノーザンF生産

父ハーツクライ 母父Redoute’s Choice

母キングスローズはNZ1000ギニー(新GⅠ・芝1600m)を制したオセアニア血統。半弟サトノアーサーが活躍し、今までの産駒はすべてセレクトセールで2億円近くて購買される期待の繁殖牝馬だ。産駒はオセアニア血統らしいパワーが強く出る傾向で、今回ハーツクライに変わるのは好感が持てる。


ハーツクライ産駒が早期に活躍するにはDanehillの強靭な後駆パワーを受け継ぐことが重要で、「Nijinsky×Ribot」で増幅するか、Northern Dancerを濃くすることで引き出される。本馬は母キングスローズがNorthern Dancer 4・5×3・5・5と非常に濃く、後者に該当する。ハーツクライ産駒でDanehillの血+Northern Dancerを濃い血の配合からは、アドマイヤミヤビ、シャドウディーヴァ、グラティアス、カテドラルなどが活躍している。1歳6月時点ですでに510kgと大型に出ている本馬は、まさにこのDanehillのパワーが引き出されている印象だ。クラシック戦線も意識できそう。

◆Danehill×Northern Dancerの濃い血を持つ配合の母の血統構成


あとは、問題は厩舎だけ。ハーツクライ産駒の活躍馬は栗東所属に集中しており、ノーザンFに限定すると、堀厩舎含めてその多くがノーザンしがらきになる。もちろん友道厩舎がノーザンF天栄を利用することもあり、フェイムゲームやマジックタイムなどの活躍馬がいるので完全NGというわけではないが、心許ない結果であることは確か。

また、国枝厩舎はディープインパクト産駒や牝馬の活躍馬が多いことからも、その馬の長所であるスピードやキレを引き出す印象で、ナスペリオン的なナタ斬れを強みとする血統では結果があまり出ていない点は少し気になる。

◆近年の国枝厩舎の総賞金上位馬


【総括】

早期に活躍するハーツクライ産駒の成功配合で、この配合はノーザンFが近年狙っている配合パターン。サトノアーサーがDanehillパワー後躯で活躍したように、ハーツクライ産駒に変われば大物になる可能性十分。大型馬に出ていることからも期待感は非常に大きい。ただし、その代償として筋力が硬くなりやすいだけに、古馬になって伸び悩んだり、去勢したりする可能性もゼロではないのは注意しておきたい。

半兄のセレクトセール価格を見れば格安に感じるのは当然ではあるが、それを抜きにしてもこの配合で募集価格6000万円はお買い得にも思える。一流の国枝厩舎×ノーザンF天栄ならばまったく問題ないと思える方は勝負したい1頭。半年以上前から目を付けていた好配合馬なだけにその走りに期待したい。


堅実性  ★★★★★

大物感  ★★★★★

お買い得 ★★★★☆