ファイナルスコアの19 キャロットクラブ 2020年度募集

ファイナルスコアの19 募集価格4400万円

牝 松永幹厩舎 ノーザンF生産

父ハーツクライ 母父Dylan Thomas

母ファイナルスコアはリディアテシオ賞(伊GⅠ・芝2000m)、伊オークス(伊GⅡ・芝2200m)を制しており、半姉チェリーコレクト、チャリティーラインと姉妹で、3年連続で伊オークスを制覇した。また、半妹シーオブクラスは愛オークス(愛GⅠ・芝12F)、ヨークシャーオークス(英GⅠ・芝11F188Y)を制し、凱旋門賞ではエネイブルと短クビ差の2着。本馬の牝系からもワーケア、ダノングレース、ノーブルスコアと日本の重賞でも結果を残しており、これだけでも注目に値する血統だ。


ハーツクライはトモの緩さを伝えやすい種牡馬なだけに、その弱点を補完する強靭な後駆パワーを強く伝えるDanehillの血と相性抜群。特にDanehill+Niniskiの血を持つハークツライ産駒には、サリオス、ワーケアが活躍している。これはNijinsky+Ribotの血を持ち併せることで、Northern Dancer、Ribot、Tom Fool≒Flaring Top、Busanda、Fair Trialと、Danehillの血を増幅させる血をほぼ満たすことが要因だ。アロハリリーもこの配合パターンに該当しており、ノーザンF生産馬に限れば、堅実にOPで活躍できる配合だ。

◆サリオスの母サロミナ、アロハリリーの母ハワイアンウインドの血統構成


懸念点はあまり馬格が大きくなく、Danehillのパワーが伝わっていない可能性があることだ。Nijinsky+Ribotの血を持つハーツクライ産駒は早期に完成する傾向にあるため、サリオス、アロハリリーもそうだったように、1歳募集時から大幅に馬格が大きくなることはない。2月19日生まれ、管囲19.0cm、馬体重437kgの測尺からもそうなりそうで、現状から馬体が減るようなことがあれば、思ったような成績が残せない可能性もありそうだ。

また、馬体派からのご指摘によると歩様がおかしいらしい。筆者は、馬体は全く分からず見ることもないのだが、備忘の意味も含めて記載しておきたい。


【総評】

ハーツクライ産駒の成功パターンでサリオス、ワーケア、アロハリリーを輩出する血統構成。OPで活躍する可能性十分で大物感を漂わせる。母方がNorthern Dancerの濃いクロスを持ち、Danehillの血を増幅させているだけに、芝2000m前後で早期から活躍できるのも魅力的だ。

上記の馬の総賞金や兄弟のセレクトセールの落札価格を鑑みれば、募集価格4400万円は格安にはなるが、馬格が大きくない可能性や管囲の細さから様々なリスクがありそう。「歩様が怪しいからだ」と言われてしまえば、それも理由の1つなのかもしれない…。堅実性・お買い得感で減点があるにしても、馬体に問題ないと思う人にとっては大物狙いで勝負したい1頭。


堅実性  ★★★☆☆

大物感  ★★★★★

お買い得 ★★★☆☆