ピュアブリーゼの19 キャロットクラブ 2020年度募集

ピュアブリーゼの19 募集価格2800万円

牝 古賀慎厩舎 ノーザンF生産

父ドゥラメンテ 母父Monsun

ドゥラメンテ産駒は母方に体質を締める血を持つことが重要。ノーザンテーストをいじるThe MinstrelやVice Regentも悪くはないが、スケール感を持たせるならSpecialやDanehillの血が良い。ちなみに、この2つの血を持つ馬は現時点で4頭すべて勝ち上がっている。


本馬はドゥラメンテ産駒の重要な血であるSpecialを持つとともに、教科書通りの配合で評価したい。祖母ピューリティーはNureyev≒Sadler’s Wells 2×3と濃い血を持つため、ドイツ異系のMonsunを父に持つ母ピュアブリーゼは綺麗な緊張→緩和で成功した。本馬はNorthern Dancer 5・5・7×5と濃い血を持つドゥラメンテ産駒で、「3/4 Northern Dancer、1/4 ドイツ異系」を実現させ、母の良さである緊張→緩和のリズムを効果的に使っている。そして、その3/4の部分でドゥラメンテ産駒の重要な血となるNureyev≒Sadler’s Wells 5×4・5のクロスを持つ。近親ラインハイト(父ハーツクライ)が走っているように、トニービンの緩さに対する締める血として有効なようで、本馬も同様の効果が見込めそう。

◆ピュアブリーゼの19の血統構成


ピュアブリーゼの産駒は祖母ピューリティー含めても成績が振るわない点が懸念されるが、今まではパワーや硬さを伝える種牡馬が多かったからと判断したい。柔らかさや緩さを伝えやすい種牡馬であれば、半姉パルメは走らなかったが、先に挙げたラインハイトや先日新馬戦を勝ったフレンドパルなど走る馬もいる。

預託厩舎が母ピュアブリーゼを管理した古賀慎厩舎になるのも好感で、ここに来て母の仔を初めて預けることになったのも何か期待したくなる(古賀慎厩舎自体は本来ノーザンFの意向としては微妙ではあるものの)。


【総評】

母ピュアブリーゼの配合の良さから繁殖牝馬として期待していた筆者としては、初めて好配合かつ馬格がある馬が出たという印象を受けた。それで預託厩舎が古賀慎厩舎となれば、血統・厩舎・ノーザンFの意向のベクトルが揃ったと言えよう。

もちろん堅実さに欠け条件戦で早々に頭打ちの理由が繁殖レベルの問題という可能性もある。しかし、今までとは各検討要素の評価が明らかに違うだけに、その判断は本馬の結果次第と捉えたい。募集価格2800万円であればそのリスクも許容できそうで、母のポテンシャルから期待したくなる1頭。


堅実性  ★★☆☆☆

大物感  ★★★★☆

お買い得 ★★★☆☆