まとめ短評 キャロットクラブ 2022年度追加募集

今年度募集のまとめ短評も好評だったため、追加募集も書いてみました。
思考の整理を目的としており、各馬の信憑性に差があります。参考程度に。

34.コナブリュワーズの21

募集価格2400万円 牝 宮田厩舎 ノーザンF生産
父ミッキーアイル 母父キングカメハメハ

本馬はサンデーサイレンス3×4、Nureyev≒Sadler’s Wells4×5・5、Offshore Boom≒フレンチデピュティ4×4とNorthern Dancerの血が濃い父母相似配合。母の競走能力を伝わりやすい配合なだけに、半姉がカイルアコナ、コナコーストと堅実に走る繁殖牝馬、祖母が重賞勝ち馬アンブロワーズであることから、大きく活躍しても不思議ではない。
実際、父ミッキーアイル×母父キングカメハメハ×SSという配合は、シャーレイポピー、ショウリュウレーヴが活躍。ノーザンF生産馬はこの2頭のみで、2頭とも母or祖母が重賞勝ち馬だ。
ミッキーアイル産駒は栗東所属が圧倒的に走る点、上記配合の勝ち上がり率自体は高くない点、右前蹄を大きく欠損して募集中止になった点など懸念点は色々あるものの、現状のデキに問題ないと思えれば出資しても良さそうだ。


96.ネオユレグランスの21

募集価格4000万円 牝 斎藤誠厩舎 社台コーポレーション白老F生産
父エピファネイア 母父ネオユニヴァース

エピファネイア産駒は緩慢な面が出るため、早期に活躍させるためには母・祖母がスプリンター・マイラーであることが重要。本馬の配合が「父中長距離×母父中長距離」で母・祖母スプリンターになる点は好感に思えるが、母・祖母ともに小柄で決してパワーを強く伝えるわけではない点がどうか。
Krisの血を持つエピファネイア産駒は16/30頭勝ち上がり、エフフォーリア、スパークル、ロールオブサンダーなどが活躍しているものの、Pretty Pollyの血を継続クロスした母と相性が良いとは言えず、エピファネイア産駒の緩慢さを締める血がない点でもマイナス。血統からは強くは推せない。


97.エイコンドライトの21

募集価格2000万円 牡 稲垣厩舎 ノーザンF生産
父リアルインパクト 母父Lord Kanaloa

Storm Catの血を持つリアルインパクト産駒は9/14頭勝ち上がり、ラウダシオン、モズメイメイが活躍している。ただ、Fappianoの血がなく、スピードというよりはトキオリアリティー・ステラマドリッドのパワーを増幅しまくった血統構成なだけに、上記に挙げた馬のように活躍するかは疑問。
むしろ、その増幅しまくったパワーが出すぎて、溜めてキレる脚が伝わらない可能性の方を懸念したい。短距離やダートでどこまでやれるかとなると、馬体が大きくないのは非常に痛い。手が出しにくい。


98.マルケッサの21

募集価格6000万円 牝 田中博厩舎 ノーザンF生産
父ロードカナロア 母父オルフェーヴル

父キングカメハメハ系×ステイゴールドの血は基本的に合わず、ドゥラメンテ産駒(半兄ドゥラエレーデ・ドゥーラ)が例外と考えたい。
ロードカナロア産駒は特に走らないし、強調できる配合もない。募集価格も高額。
走ったらごめんなさい。


99.Novellesの21

募集価格8000万円 牡 鹿戸厩舎 外国産
父Frankel 母父Docksider

レイベリングの全弟。配合が素晴らしく、詳しい解説は血統評論家 望田さんのブログを読んでください。
https://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/ff3f5091d1904fd69dfb63be7f5a7e15
ビッグレッドF→ノーザンF育成になるのは大きな魅力で、レイベリング以上に活躍しても不思議ではない。さすがに高額なだけに回収率度外視で勝負するなら。


100.カイゼリンの21

募集価格2000万円 牝 中村厩舎 ノーザンF産
父ルーラーシップ 母父アドマイヤベガ

トニービン3×4を持ち、ナスペリオン血脈が強い血統構成。
牝馬は走らない傾向が強い。馬体も小柄。
走ったらごめんなさい。


101.アドヴェントスの21

募集価格5000万円 牡 斉藤崇厩舎 社台コーポレーション白老F生産
父レイデオロ 母父ジャングルポケット

馬格が大きく脚元が弱い牝系。昨年8月に両飛節OCD除去手術を行っており、もはや血統を考察するより、まともに競馬できるかを考察した方が良いように思える。
Hornbeam≒Sunset 3/4同血クロス、Tom Foolのクロスの2つを継続させた、レイデオロの現役時代の良さを引き出した血統構成。配合的には悪くなさそうだが、レイデオロ産駒の成功配合が分からないこともあり、ここは馬体派の出番で。リスクを重んじるならケンが妥当。


102.Miss Besiluの21

募集価格7000万円 牡 高野厩舎 外国産
父Into Mischief 母父Medaglia d'Oro

父Into Mischiefは4年連続(2019~2022年)北米リーディングサイヤー、2020年の種付け料が175,000ドルという大種牡馬。母Miss Besiluは米G1③着2回、近親にはSaint Liam、Gun Runnerなど米国活躍馬を多く輩出する超良血。
ファシグティプトンノベンバーセール2020にて、全兄が100万ドルで主取り、母Miss Besilu(本馬受胎)が220万ドルで落札。ノーザンファームミックスセール2022当歳にて、父American Pharoahの半弟が7920万円で落札。外国産馬であることを考慮すれば、むしろ安いくらいの募集価格にも思える。

Into Mischief産駒は19/21頭勝ち上がり、1頭当賞金約2400万円と好成績。まだ重賞勝ち馬は出ていないが、種牡馬のポテンシャルからいつ大物が出てもおかしくない。日本で活躍しているInto Mischief産駒はHalo・Danzigを持っている馬が多く、スピードを補完するのが重要な印象。本馬にはその血がなく、配合的にも特段強調するところがない点がどうか。
回収率100%越えは望めないかもしれないが、堅実に走る保険はあるため、一口馬主としては十分楽しめそう。余談として、本馬のようなコテコテの米国血統はNARの砂は苦手なので、阪神京都ダートが主戦場になる点は考慮しておきたい。
牝馬ならアワブラ狙いで即ポチだったのに。。。後ろ髪を引かれつつ。。。