関西馬まとめ短評(No.71~90) キャロットクラブ 2022年度募集

71.グリューヴァインの21

募集価格3000万円 牡 牧田厩舎 ノーザンF生産
父ニューイヤーズデイ 母父ゴールドアリュール

本馬は、Helen Streetとトニービンのニアリークロス、Mr.Prospector×Nureyev×Robertoのダート黄金配合を持つ点が好感。母が欧州型スタミナを入れていった血統構成なだけに、父系に米国血統を持ってきた点もプラスに思える。
あとは、母を管理していた牧田厩舎をどう評価するか。初仔から産駒を任されていれば、ノーザンFの意向を考えないのだが、3番仔の本馬から預託した今回はあまり良い傾向には思えない。厩舎は問題ないと思える方は出資検討してみても。


72.クルークハイトの21

募集価格2800万円 牝 杉山晴厩舎 ノーザンF生産
父ニューイヤーズデイ 母父クロフネ

Machiavellian3×4、Helen Streetとトニービンのニアリークロスにより、Street Cryの血を増幅した配合。一般的には良くない印象ではあるが、本当にそれが良いか悪いか現状では判断できず悩ましい。ニューイヤーズデイ産駒の成功配合や傾向が分からず、手掛かりとなる血もないことからケン。


73.オーマイベイビーの21

募集価格6000万円 牡 奥村豊厩舎 ノーザンF生産
父ブリックスアンドモルタル 母父ディープインパクト

父ブリックスアンドモルタル×母父ディープインパクトの配合は、ディープ×Storm Cat×Vaguely Nobleというディープインパクトの走る配合パターンと似た形になる。この配合にはこの後注目したい。
母オーマイベイビーは柔らかい血が非常に多いため、締める血を持つ種牡馬の方がベター。本馬はそれとは逆行する血統なだけに、期待値を考えても厳しい。


74.ラプソディーアの21

募集価格2400万円 牝 平田厩舎 ノーザンF生産
父ブリックスアンドモルタル 母父ディープブリランテ

Rahy=Morn of Song全兄妹クロス4×3を持つ。それだけで好配合馬とは言えず、特段配合的に強調できる材料はない。小柄な母の初仔なだけあって馬体が小さく出た点もマイナス。手が出ない。


75.アロマドゥルセの21

募集価格3600万円 牡 渡辺厩舎 ノーザンF生産
父ハービンジャー 母父ディープインパクト

ハービンジャー×ディープインパクトは近年成績が向上している注目の配合。ノーザン生産馬に限れば、12/18頭勝ち上がり、1頭当賞金約2300万円になる。この配合で活躍するには祖母からのスプリンター~マイラーのスピードが必要。本馬は祖母の成績・血統・牝系どれもが中長距離戦で活躍している。中長距離×中長距離×中長距離という配合になり、緩さの残る晩成タイプに出る可能性が高い点がどうか。
回収率100%越えを目標にするなら。


76.レイリオンの21

募集価格2800万円 牝 安田翔厩舎 ノーザンF生産
父ハービンジャー 母父ダイワメジャー

母父ダイワメジャーは近年のトレンド。父が中長距離で活躍した緩い種牡馬との相性が良い。本馬はBering3×4を持つため、Wild Riskのナタ斬れが強く出そう。ベストリゾート、アランデルと2/3頭勝ち上がりと悪くない成績ではあるが、牝馬という点がどうか。
また、活躍馬ナミュールと大きく違うのは、母系からスピードを補完できていない点だ。祖母リリサイドの重厚な血統を増幅していることからもスピード不足の懸念がありそう。
大きな活躍には課題を残す印象。手が出しづらい。


77.ヴィートマルシェの21

募集価格5000万円 牡 斉藤崇厩舎 ノーザンF生産
父リアルインパクト 母父フレンチデピュティ

本馬は、Alzao≒ダンシングブレーヴ4×3、Hold Your peace4×4(War Relic≒Eight Thirty≒Good Example6・7・7×7・6)という父母相似配合。母の競走成績はイマイチではあるものの、祖母がキョウエイマーチで母の産駒ほぼ全頭が活躍という優秀な繁殖レベルを考えれば、父母相似配合で能力を存分に引き出せそうだ。
リアルインパクト産駒はラウダシオンしか結果が出ていないだけに、この募集価格は明らかに割高な感。赤字覚悟でも一口馬主を楽しみたい方は是非。


78.リッチダンサーの21

募集価格3000万円 牝 武幸厩舎 ノーザンF生産
父リアルインパクト 母父Halling

母リッチダンサーの産駒は、8/10頭勝ち上がりと非常に優秀。Northern Dancer5×3と濃いクロスを持つだけに、Northern Dancerのクロスがない種牡馬の方がベター。気性がマイルドに出やすい牝馬という点もプラス。
リアルインパクト産駒牝馬+母高齢(近年産駒が不振)と期待値はかなり低めに思えるが、配合的には活躍した兄姉同様の走りを期待してもいいだろう。この募集価格なら一口馬主を存分に楽しめそうだ。


79.ヒストリックスターの21

募集価格8000万円 牡 友道厩舎 ノーザンF生産
父レイデオロ 母父ファルブラヴ

母ヒストリックスターはNorthern Dancer3×3と濃いクロスを持ち、牡馬だと重厚なスタミナを強く伝える。レイデオロはNorthern Dancerのクロスが濃過ぎず、Tom Fool≒Atticaの継続クロスになる点は好感ではあるが、やはり本馬がNureyev≒Fairy King5×3になることから重厚すぎる印象が拭えない。
レイデオロ産駒の成功配合が分からず、懸念材料がある以上は強く推せない。


80.ギーニョの21

募集価格5600万円 牡 中内田厩舎 ノーザンF生産
父レイデオロ 母父サンデーサイレンス

セレクトセール1歳4400万円で落札。
父キングカメハメハ系×フェアリードール牝系という堅実に走る血統構成。22/36頭勝ち上がり、1頭当賞金約5000万円弱にも及ぶ。この配合は「Hyperion+Lady Juror」の粘着力と機動力に富むだけに、レイデオロがTom Fool≒Atticaの機動力を伝えることとなれば非常にマッチしそう。
あとは母ギーニョの産駒はややパワーが強く出やすく、勝ち上がりはするものの出世しない点が気掛かり。早期仕上げの中内田厩舎とも合わない印象だが。


81.ライジングクロスの21

募集価格2400万円 牝 音無厩舎 ノーザンF生産
父ミッキーアイル 母父Cape Cross

Sir Ivorの血を持つミッキーアイル産駒牝馬は、6/10頭勝ち上がり、メイケイエール、ララクリスティーヌ、アールラプチャーなどが活躍している。
本馬の配合は、3/4 Northern Dancer+1/4異系、緊張→緩和が綺麗な配合。母ライジングクロスは英オークス2着馬で母系の奥に欧州型スタミナが豊富にある。そのスタミナを強く伝える傾向があるだけに、ミッキーアイルのスピードが生かせない可能性がありそう。
音無厩舎×安価な牝馬というのも怪しさ満載。手が出しづらい。


82.カイカヨソウの21

募集価格2800万円 牝 池添学厩舎 社台コーポレーション白老F生産
父オルフェーヴル 母父ティンバーカントリー

本馬はオルフェーヴル産駒の成功配合である、母が非Northern Dancerクロス、Fairy King=Sadler’s Wellsの血を持つ。この配合から、ラッキーライラック、オーソリティ、ソーヴァリアントなどが活躍している。また、エポカドーロなども含めて重賞勝ちを果たす産駒は、母系からスプリンター~マイラーのスピードが入れることが重要。母カイカヨソウ・3代母マチカネミラージュが短距離~マイルで活躍しており、この条件も満たす。
本馬の血統構成は、ナスペリオンの血がやや薄いことが課題ではあるが、オルフェーヴル産駒の成功配合に違いない。芝・ダートは気にせず、大きな活躍を期待したいところだ。


83.クイックリトルミスの21

募集価格2400万円 牝 庄野厩舎 ノーザンF生産
父スワーヴリチャード 母父Freud

配合的に強調材料がなく、ナスキロの柔らかい血が多く、緩慢になる可能性も高い。スワーヴリチャード産駒の成功配合が分からず、ノーザンFの意向としても微妙なだけに見送り。
走ったらごめんなさい。


84.アピールⅡの21

募集価格2600万円 牡 高柳大厩舎 ノーザンF生産
父ダイワメジャー 母父Selkirk

Red God、Alycidonの血を持つダイワメジャー産駒の黄金配合に近い血統構成。Mixed Marriage 、Nebbiolo、Le Fabuleux、AlycidonとPretty Pollyの血が複数あるのは好感。また、Selkirkの血を持つダイワメジャー産駒にはゴールデンナンバーが活躍している。
高柳大厩舎は佐藤正厩舎の影響でダート実績馬が多いが、ノーザンF関連ではセファーラジエルが結果を残している。ノーザンF勤務経験があるだけに、今後ノーザンF関連馬で活躍してもおかしくない。
半兄ペールエールくらい走っても。大物感には課題があるが、堅実には走ってきそうだ。


85.ハーレクイーンの21

募集価格3600万円 牝 斉藤崇厩舎 ノーザンF生産
父リアルスティール 母父Canford Cliffs

リアルスティール産駒の初年度成績が前評判に比べてイマイチであり、それは肩の出がKingmamboっぽいことが要因のようだ。フランス血統・ドイツ血統などと相性が良く、柔らかさを引き出す方がベター。
本馬はフレンチ斬れを伝える血が多く、Shirley Heightsの血がある点に好感が持てる。祖母が重厚なスタミナ血統ではあるが、キレを持ち味とする牝馬であれば問題ない。あとは馬体の大きさだけか。リアルスティール産駒の成功配合が分からない以上は強く推せない。


86.ローズノーブルの21

募集価格2800万円 牝 吉岡厩舎 ノーザンF生産
父ドレフォン 母父ディープインパクト

父ドレフォン×母父ディープインパクトの配合は、8/20頭勝ち上がり、カワキタレブリーが活躍している。ただ、ドレフォン産駒の傾向通り、勝ち上がっているのは牡馬ばかりで牝馬は全体を通してもあまり良くない。
ニックス配合の血もなく、ドレフォン産駒牝馬ということで敬遠。


87.ピエリーナの21

募集価格2800万円 牝 茶木厩舎 社台コーポレーション白老F生産
父リオンディーズ 母父チチカステナンゴ

リオンディーズは強い父母相似配合であるため、母は非Northern Dancerクロスがベター。Northern Dancerのクロスが濃い場合には、母の競走能力に依存する。本馬は、Nureyev≒Sadler’s Wells5・4×4を経由したNorthern Dancer5・6・6・7・8×5・5・6と非常に濃い血統構成。母・祖母の競走能力がイマイチなだけに大物感はない。また、体質を柔らかい血もなく、配合的にも良くない。手が出ない。


88.グレイシアブルーの21

募集価格3200万円 牝 清水久厩舎 ノーザンF生産
父ルーラーシップ 母父サンデーサイレンス

メールドグラースの全妹。「3/4 Northern Dancer、1/4 SS」「緊張→緩和」という好配合馬。Nureyev5×3とナスペオン増幅している点、Habitatによりトモが緩くなりがちな点を踏まえると、牝馬でそれがマイナスに出そうな印象を持つ。
いずれにせよ、G1馬の全弟妹は出資しないという宗教上の理由によりケン。


89.ヴィアンローズの21

募集価格2400万円 牡 石坂公厩舎 ノーザンF生産
父アルアイン 母父Sevres Rose

種牡馬アルアインの成功配合は分からないが、牡馬はダート的なパワー/牝馬はスピードに出る可能性が高いだろう。母ヴィアンローズはフレンチ斬れを伝える傾向があり、マッチしない印象を持つ。
アルアイン産駒の成功配合が分からず、懸念材料がある以上は敬遠。なぜか母の産駒はキャロットCで募集されると走るというオカルトに期待か。


90.ムーングロウの21

募集価格3000万円 牡 寺島厩舎 ノーザンF生産
父ジャスタウェイ 母父Nayef

父ジャスタウェイのWild Again、母ムーングロウのGulch、Storm Birdにより、一本調子に走る可能性が非常に高い。母にはナスペリオンの血もないだけに、早期勝ち上がり後に頭打ちがイメージしやすい。


91~95.地方馬は割愛

以上