キャロットクラブ 1歳馬考察 スカーレットベルの2016

スカーレットベルの2016 募集価格2800万円

国枝厩舎 ノーザンファーム生産

父ロードカナロア 母父エリシオ

現時点でのロードカナロア産駒の成功配合はSpecialの血を持つこと、ナスキロ血脈をあまり多く持たずスタミナとパワーを増幅することが挙げられ、本馬はどちらも満たしている。また、Storm Catとスカーレットローズ(=スカーレットブーケ)は血統構成が似ておりニアリークロスになるのも好感で、ダイワメジャー×Storm Catのニックス配合と同様にパワーとスピードをより引き出しそうな配合だ。


現段階でのロードカナロア産駒の代表馬となっているステルヴィオと血統構成も似ているのはプラス材料で、本馬はステルヴィオとは違い、3/4Northern Dancerの形は満たさないためスカーレット一族のパワーがより強く出ている印象。馬体重も牝馬ながら1年6か月の段階で492kgと大きく出ているのはその影響からだと言える。

本馬を検討する上で難しいのが、どれだけダート馬になる可能性があるかだ。兄姉ではダノンリバティが芝でも活躍しているが、馬格が大きく出やすいこともあり基本的にダートを主戦場とする馬が多い。

しかし、ロードカナロア産駒は総じてナスキロ血脈の柔らかさを伝えやすいだけに現段階ではダートでの勝ち鞍はなく、本日ダートの新馬戦で3着に好走したハウナニもダート馬にしては走りに軽さを感じた。ダートで大きな活躍を期待するには少し不安がある。


【総括】

ロードカナロア産駒の成功配合でステルヴィオと同様の走りを予感させるが、一方で牝系のダート的なパワーがより強く出そうな血統構成。ロードカナロアの素軽さとスカーレット一族のパワーが上手くマッチするのか逆行するのか、期待と不安が同居する1頭だ。

募集価格2800万円というのは兄姉に比べて非常に安くお得感を感じるのだが、何故ここまで安いのかと不安になるのは自分だけだろうか。配合・繁殖レベルから堅実に勝ち上がってくれそうではあるので、一口馬主として楽しめて大きく当たればラッキーくらいな期待感の方が良いかも。


堅実性  ★★★★★

大物感  ★★★☆☆

お買い得 ★★★☆☆