関西馬まとめ短評(No.44~65) キャロットクラブ 2021年度募集

募集馬を考察した結果、その多くが掲載ボツになったので短評でまとめました。

信憑性に差があり、個人の感想が多めです。参考程度に。


44. アヴェンチュラの20

募集価格8000万円 牡 安田隆厩舎 ノーザンF生産

父ロードカナロア 母父ジャングルポケット

Try My Best=El Gran Senor 5×4、Nureyev 5×4と体質を締める血がしっかり入り、母は中距離GⅠ馬と、アーモンドアイと似たような血統構成。厩舎もロードカナロア産駒で結果を残している安田隆厩舎。
血統・厩舎・生産者・繁殖牝馬の競走能力すべて完璧。あとは、母の産駒が走らないという繁殖レベルの問題だけ。思えば、アーモンドアイもフサイチパンドラの産駒が走らない中で突然開花した馬。この価格でもギャンブルできるお金持ちは是非。


45. アディクティドの20

募集価4400万円 牝 高野厩舎 ノーザンF生産

父ロードカナロア 母父Diktat

好配合ではあるが、ドイツ牝系の牝馬がどう出るか。
https://blood-keiba.themedia.jp/posts/20632783


46. フロアクラフトの20

募集価4400万円 牝 中内田厩舎 ノーザンF生産

父ロードカナロア 母父フジキセキ

3/4 Northern Dancerの形で緊張→緩和のリズムを満たす。Nureyev≒Fairy King 5×4と締める血もある好配合馬。母の産駒は体質が弱い傾向があり、それがなければ短距離戦で活躍する可能性十分。
中内田厩舎は短距離というイメージがなく、ロードカナロア産駒から活躍馬が出ていない点が気になるところ。


47. ワイの20

募集価4000万円 牝 武幸厩舎 追分ファーム生産

父ロードカナロア 母父Galileo

Kinmambo=Monevassia全兄妹クロス3×3を持つ父母相似配合。ロードカナロアはKingmamboをいじると走らない傾向が強い点がどうか。追分ファームは今年の2歳世代から育成が変わり早期から走るようになった点で悲観的ではないものの、さすがに高額でリスクが高すぎる。


48. ホットスウェルの20

募集価2800万円 牡 牧田厩舎 アイオイファーム生産

父ハーツクライ 母父Fusaichi Pegasus

ハーツクライ産駒はトモが緩くなりがちなためDanzigの血と相性が良い。そのためか、Fusaichi Pegasusの血とも相性が良く、ロードレガリスやキャッチミーアップなどが活躍している。また、母母父General Meetingはスワーヴリチャードの母ピラミマも持っている血で、相性の良いSeattle Slew、Alydarの血を持つ。カフェエスペランサ、カフェプリンスのようなダート中距離で活躍しそうだ。
ただ、遅生まれを考慮しても小柄に出た点は大きなマイナス。上記で活躍した牡馬は大型馬だ。アイオイファームの庭先取引と言えば、シルクRのインビジブルレイズがいるが、同じ扱いにしていいものなのか。ノーザンFとの関連も薄く、詳しい経緯が分からない。


49. ハヴユーゴーンアウェイの20

募集価4000万円 牝 斉藤崇厩舎 レイクヴィラファーム生産

父ハーツクライ 母父Congrats

母がBusanda 6×7、Seattle Slewと相性の良い血を持ち、「War Admiral+La Troienne」のパワーを多く持つ点に好感が持てる。ハーツクライ×米国血統の牝馬はあまり走らない点がどうか。


50. インナーレルムの20

募集価4000万円 牝 安田隆厩舎 ノーザンF生産

父ハーツクライ 母父Galileo

母の兄がRock of Gibraltar。ハーツクライ×Rock of Gibraltar は相性抜群だが、さすがにDanehillがないと後躯パワーは増幅しないと思う。母インナーレルムがNorthern Dancer 3×3であることから早期から活躍できるかもしれないが、本質的にはスピード不足だろう。
これだけ重厚なスタミナ血統なのに安田隆厩舎というのはいかにも合わない印象。


51. クルミナルの20

募集価8000万円 牡 藤原英厩舎 ノーザンF生産

父エピファネイア 母父ディープインパクト

母クルミナルはククナ・アライバルと重賞好走馬を輩出するほど繫殖能力として優秀。締める血はないものの、祖母クルソラがアルゼンチン血統で牡馬はパワーを強く出すだけにエピファネイアとの相性が良さそうだ。好配合馬。


52. エールデュレーヴの20

募集価5000万円 牡 友道厩舎 ノーザンF生産

父エピファネイア 母父ディープインパクト

体質を締める血が一切なく、全体的に柔らかいナスキロの血が多い。緩さが出ないか不安。中長距離戦を得意とする友道厩舎なのは嬉しいが、高額でリスクを許容できない。


53. レイリオンの20

募集価3400万円 牝 安田翔厩舎 ノーザンF生産

父エピファネイア 母父ダイワメジャー

母父ダイワメジャーは体質を締める方向にはなりそうで悪くはなさそうだが、まだ結果が出ていない点でマイナス。母父ゼンノロブロイの方が断然良い。
プルメリアスターの20で述べたように、祖母リリサイドはエピファネイアといかにも相性が良さそう。こちらは馬格もあって厩舎も良い。母父ダイワメジャーだけが気掛かり。


54. トータルヒートの20

募集価3000万円 牝 藤原英厩舎 社台コーポレーション白老ファーム生産

父ドゥラメンテ 母父Street Cry

ドゥラメンテ産駒と相性の良いNureyevの血を持つ。本馬の注目はトニービンとHelen Streetがニアリーな関係になる点だ。この配合はハーツクライでは有名なニックス配合だ。父キングカメハメハ系では本馬が初の試みで、キングカメハメハとHornbeamは相性が良いことから、この配合もニックスになってもおかしくない。
ただ、ナスペリオン血脈増幅の牝馬は走らない傾向にあり、ドゥラメンテもコルトサイアーである点から、本馬が牝馬であることが非常に残念。配合的に動向を注目したい1頭。


55. リーチングの20

募集価2400万円 牝 杉山晴厩舎 ノーザンF生産

父ドゥラメンテ 母父Dansili

注目の血統だが、課題多し。懸念点には目を瞑って。。。
https://blood-keiba.themedia.jp/posts/20696780


56. コルコバードの20

募集価4000万円 牡 高野厩舎 ノーザンF生産

父モーリス 母父ステイゴールド

ノーザンテースト 5×5によるパワー増幅はマイナスも、母の奥でスピードを担保している点は好感。配合的に評価できるわけではなく、高額でリスクを許容できない。


57. ディオジェーヌの20

募集価3200万円 牡 斉藤崇厩舎 ノーザンF生産

父モーリス 母父ディープインパクト

Chief’s Crownの血を持つモーリス産駒が非常に優秀。特にChief’s Crown+Shirley Heightsの血を持つ馬はシゲルピンクルビー、ルークズネストの2頭のみで、2頭とも重賞勝ち馬だ。本馬はルークズネストと非常に良く似た血統構成。
斉藤崇厩舎の活躍馬は、バゴ、ハービンジャー、オルフェーヴル、Shamardal、ルーラーシップと欧州型スタミナに富んだ種牡馬で結果を残している。該当しないのはラウダシオンくらいだ。モーリス産駒は石坂正厩舎から転厩したジェラルディーナだけなので、今後活躍馬を輩出してもおかしくない。


58. スペクトロライトの20

募集価2400万円 牝 石坂公厩舎 ノーザンF生産

父モーリス 母父ディープインパクト

アドマイヤハレーと似たような血統構成。配合的には悪くなさそう。バランセラの牝系は牡馬の方が走るだけに牝馬でどうか。敬遠。


59. グランデアモーレの20

募集価3400万円 牝 池添学厩舎 社台コーポレーション白老ファーム生産

父モーリス 母父ネオユニヴァース

ノーザンテースト≒Vice Regent 5×6とパワー増幅は相性が良くない。


60. リリカルホワイトの20

募集価3400万円 牡 武幸厩舎 社台コーポレーション白老ファーム生産

父ドレフォン 母父ダイワメジャー

Storm Catとスカーレットブーケのニアリーな関係にあり、Deputy Minister 5×5とパワーを増幅した血統構成。3代母ベゴニアがFlower Bowl≒Aureole、Blue Banner≒Busandaの血と持つことで、スタミナとパワーを強く伝える。本質的には牡馬の方が走り、リリウムの系譜に限れば、牡馬は5/6頭が勝ち上がっている。
募集価格は割高な印象もダートで堅実に走りそう。


61. ラフォルジュルネの20

募集価3000万円 牡 平田厩舎 社台コーポレーション白老ファーム生産

父ドレフォン 母父スペシャルウィーク

堅実に走るグレイトフィーヴァー牝系にもかかわらず、母の産駒だけはなぜかまったく走らない。Tom Fool的な捌きが持ち味だったことを考えると、ナスペリオンのキレを生かす欧州血統が合わなかったのかもしれない。まったく違う方向性である米国短距離血統ドレフォンで一変あるか。こういう試みは個人的には好きだが、期待値的には手が出しづらい。


62. ディアデラノビアの20

募集価2000万円 牝 森田厩舎 ノーザンF生産

父ドレフォン 母父サンデーサイレンス

ディアデラノビアの産駒がこんな扱いをされるとは。配合的には強調材料はない。
馬格が小さく、ノーザンFの意向としても微妙。人気がないなら取り敢えずポチる手もありだが。


63. ライジングクロスの20

募集価2800万円 牝 松下厩舎 ノーザンF生産

父リアルスティール 母父Cape Cross

母ライジングクロスは欧州型スタミナが非常に豊富で粘り強さが武器。今までの産駒は米国的なスピードに乏しかっただけに、リアルスティールに変わって良さが生きる可能性も十分。
スピード補完という点で言えば、Sir Ivorのクロスを持つ牝馬というのは大きなプラス材料である一方、Busted 5×5でスタミナを増幅している点がどうか。評価が悩ましい。


64. ラカリフォルニーの20

募集価2800万円 牡 奥村豊厩舎 ノーザンF生産

父キタサンブラック 母父Dutch Art

母父Dutch Artは欧州2歳GⅠを2勝し、短距離GⅠで活躍した馬で、産駒も短距離戦で活躍している。キタサンブラック産駒と相性の良い母父:短距離血統になる。ただ、額面上では欧州型スタミナ血統が多く、スピード補完する血も少ない点がどうか。他の馬と比べてしまうと、なかなか手が出しづらい。


65. サンブルエミューズの20

募集価3000万円 牝 矢作厩舎 ノーザンF生産

父キタサンブラック 母父ダイワメジャー

母サンブルエミューズは芝短距離戦で活躍し、牝系も短距離のスピードが持ち味。配合的には理解しがたいところがあり評価が難しいが、堅実に走る牝系なら。


つづく