関東馬まとめ短評(No.21~43) キャロットクラブ 2021年度募集

21 エクストラペトルの20

募集価格2000万円 牝 加藤征厩舎 社台コーポレーション白老ファーム生産

父リアルスティール 母父キングカメハメハ

筆者としては、Monevassia=Kingmamboの全兄妹クロスはあまり良くないと考える。母がNashua≒Nantallahを増幅した配合でパワーが強く出そうな印象。


22 マイティースルーの20

募集価格2400万円 牝 黒岩厩舎 ノーザンF生産

父リアルスティール 母父クロフネ

祖母スルーオールがPoker 3×4とナスキロの柔らかさと「War Admiral+La Troienne」パワーを兼備しており、産駒にもしっかりその良さを伝える。その一方、Hyperionの血を持たないため、父から頑強さを持たせることが重要。
リアルスティール産駒の成功配合は分からないものの、母父クロフネはキズナ同様に相性が良さそうな印象を持つ。リアルスティール自身がKingmambo的なパワーが出ていたため、名牝Miesqueの頑強さが伝われば上級条件でも活躍できる。堅実に走りそう。


23 ワシントンレガシーの20

募集価格2200万円 牝 大和田厩舎 ノーザンF生産

父リアルスティール 母父クロフネ

スウェプトオーヴァーボード×クリアアンバーの組み合わせはAmbehaving≒クリアアンバーのニアリークロスになるニックス配合。本馬の祖母フロールデセレッソがこの配合を持つ。この配合を持つ繁殖牝馬からはグローリーヴェイズ、カヌメラビーチ、ポトマックリバーが活躍しており、6/9頭が勝ち上がっている。祖母になっても健在なら。
ノーザンFの意向としてはマイナスなのが残念。


24 ロスヴァイセの20

募集価格3400万円 牡 木村厩舎 ノーザンF生産

父キタサンブラック 母父シンボリクリスエス

キタサンブラック産駒は母・母父がスピード能力の高いスプリンター・マイラー要素が重要になる。母・祖母ともに短距離ダートで活躍した点で走るキタサンブラック産駒の配合に該当する。
OCD手術歴あり・さく癖ありの曰く付き+木村厩舎というのは個人的には出資意欲が沸かない。そこに目を瞑れる方にはオススメできる。


25 シンハディーパの20

募集価格2800万円 牝 新規開業厩舎 ノーザンF生産

父キタサンブラック 母父ウォーエンブレム

母が芝1200m勝ちのキタサンブラック産駒。キタサンブラック産駒は牡馬優勢と見ており、牝馬はマイナスだと考える。ただ、シンハリーズ牝系は牝馬の方が走り、キレる脚が使える。まったく逆の持ち味の父と牝系。個人的には好みではない。
蛯名正義厩舎と推測でき、藤沢和厩舎の腕利きのスタッフが担当する可能性も十分。そういう観点では期待したい。


26. ヒカルアモーレの20

募集価格4000万円 牡 宮田厩舎 社台コーポレーション白老ファーム生産

父サトノダイヤモンド 母父クロフネ

ディープ後継種牡馬に重要なSir IvorやHaloいじりがなく、配合的には強調材料がない。母の産駒はPretty Pollyいじれる種牡馬でしか結果がでていない。これでは高額でリスクを許容できない。


27. エンシェントヒルの20

募集価格2000万円 牝 伊藤大厩舎 ノーザンF生産

父サトノダイヤモンド 母父エンドスウィープ

Sir IvorやHaloの血がないものの、スピードの血が入るのは好感。スタミナ要素の強い種牡馬で牝馬2頭が活躍しただけに期待してみたいところだったが、厩舎がとにかく残念。走ったら少し後悔するかも。


28. アドマイヤアロマの20

募集価格2800万円 牡 戸田厩舎 ノーザンF生産

父ハービンジャー 母父ネオユニヴァース

Caerleonが入って3/4 Northern Dancerの形になるのは好感ではあるが、配合的に注目するほどではない。近年、キャロットF×戸田厩舎の成績が酷く、ノーザンFの意向としても良くない。走ったらごめんなさい。


29. フェルミオンの20

募集価格2200万円 牝 勢司厩舎 ノーザンF生産

父ハービンジャー 母父アグネスタキオン

母フェルミオンはTom Fool+Bold Rulerの小脚の効いた走りが持ち味。欧州型ノーザンダンサー系種牡馬で半兄2頭が活躍しているが、ハービンジャー牝馬には合わない印象。ノーザンFの意向としても評価できない。走ったらごめんなさい。


30. ココファンタジアの20

募集価格3200万円 牡 宮田厩舎 社台コーポレーション白老ファーム生産

父ルーラーシップ 母父ステイゴールド

ノーザンテースト≒Vice Regent 4×5・6のパワー増幅になり、7/8同血の配合にはカイザースクルーンがいる。基本的にはノーザンテーストの血をいじるのは良くない。


31. クローバーリーフの20

募集価格2400万円 牡 稲垣厩舎 ノーザンF生産

父キンシャサノキセキ 母父タニノギムレット

配合的に強調材料がなく、ノーザンFの意向としても微妙。
走ったらごめんなさい。


32. パルティトゥーラの20

募集価格2800万円 牡 堀厩舎 ノーザンF生産

父サトノクラウン 母父マンハッタンカフェ

額面上は重厚だが、ナスキロ+Tom Foolの血をいじっており、そこが強調されれば走る可能性も。サトノクラウン産駒の成功配合が未知で、個人的には種牡馬として評価していないため走るまでは敬遠。


33. マルティンスタークの20

募集価格2000万円 牝 小島茂厩舎 ノーザンF生産

父ジャスタウェイ 母父シンボリクリスエス

母が全体的にクロスが薄いので、トニービン 4×3が強調されそうな配合。牝馬でナスペリオンのナタ斬れが強く出るのはプラスに思えない。ノーザンFの意向としても微妙。走ったらごめんなさい。


34. ポロンナルワの20

募集価格3000万円 牝 矢野英厩舎 ノーザンF生産

父ダイワメジャー 母父Rahy

母ポロンナルワは名繁殖Glorious Song 3×2を持ち、ポテンシャルは非常に高い。本馬はダイワメジャー産駒の黄金配合ではないが、Halo≒Red GodやSadler’s Wellsと相性の血が多い。シンハリーズ牝系は牝馬の方がキレる脚が使える点も好感。その一方、産駒はとにかく故障しやすい。ノーザンFの意向的にはマイナスで、曰く付きに思えてしまう。故障さえなければ堅実に走る。


35. ビットレートの20

募集価格2200万円 牝 小西厩舎 ノーザンF生産

父ヘニーヒューズ 母父スペシャルウィーク

母父スペシャルウィーク、フレンチデピュティの血ともにヘニーヒューズと相性が非常に良い。3代母スルーオールのナスキロ柔らかさが伝わり、東京ダートが主戦場になりそうな印象。全体的に頑強さが不足しており、上級条件で粘りが効くかが疑問。
初仔で小柄に出ている点、厩舎が残念である点から、下級条件で伸び悩む可能性の方が高そう。勝ち上がりが目標か。


36. カイゼリンの20

募集価格2200万円 牝 田中博厩舎 ノーザンF生産

父リオンディーズ 母父アドマイヤベガ

リオンディーズと相性が良いSecretariatの血、母が非Northern Dancerクロスに該当する。牝系の傾向としては牡馬優勢。芝・ダートどちらに出るか分からず、血統的な評価が難しい。


37. ユールフェストの20

募集価格2200万円 牝 池上和厩舎 社台コーポレーション白老ファーム生産

父オルフェーヴル 母父More Than Ready

配合的に強調材料がなく、ノーザンFの意向としても微妙。母の産駒は堅実に走るが、遅生まれを考慮しても馬格が小さいのがどうか。走ったらごめんなさい。


38. レオパルディナの20

募集価格2000万円 牡 中館厩舎 社台コーポレーション白老ファーム生産

父サトノアラジン 母父スニッツェル

レオパルディナが緊張→緩和のリズムで成功した馬で、本馬はNorthern Dancer、Mr.Prospectorをクロスさせた好配合馬。
サトノアラジン産駒はなんとなくキズナ産駒と似ており、牡馬はパワー/牝馬はスピードに出ている印象。Alzao≒Dancing Show 4×5、Storm Bird 4×5でどこまでスピードを補完できるか。サトノアラジン産駒の牡馬が走ると思う方は出資しても。個人的には牝馬の方が安心できた。


39. アールブリュットの20

募集価格2400万円 牝 木村厩舎 社台コーポレーション白老ファーム生産

父ブラックタイド 母父Makfi

ブラックタイド産駒は牡馬優勢でスピード補完が重要。母は欧州型スタミナ血統が強く、スピード不足になる可能性も。手が出しづらい。


40. スーブレットの20

募集価格2400万円 牡 萩原厩舎 ノーザンF生産

父マジェスティックウォリアー 母父ゴールドアリュール

ベストウォーリアの3/4同血で配合的にはもちろん評価できる。ただ、祖母の産駒はノーザンFで繋養されてから結果が出ておらず、ベストウォーリアの全弟も大コケした。結果が出ていた外国産Majestic Warrior産駒はどこかイメージが違っていて、個人的な見解としてケンしたい。


41. アドヴェントスの20

募集価格2000万円 牝 高柳瑞厩舎 社台コーポレーション白老ファーム生産

父ミッキーアイル 母父ジャングルポケット

父母相似配合・初仔が影響して小柄な馬体に出たのは大きなマイナス。配合的にも強調材料はなく、ノーザンFの意向としても微妙。走ったらごめんなさい。


42. フォトコールの20

募集価格8000万円 牡 木村厩舎 ノーザンF生産

父Quality Road 母父Galileo

父Quality Roadは近年GⅠ馬を次々と輩出したことで種牡馬としての評価が急上昇し、2019年度の種付け料が15万ドルにもなった。母フォトコールは米国の芝GⅠ2勝、近親にはロードデンドロン、マジカルを輩出している。世界的な良血馬。
Hero’s Honor≒Sadler’s Wells、Hero’s Honor≒Danehillにより芝で走れる下地はあるものの、日本競馬ではスピード不足でダート馬になってしまうだろう。だからといってダートで大成するかと言ったら難しい。今からでもクールモア×A.オブライエン厩舎に預けていただけませんか?


43. ウィープノーモアの20

募集価格3000万円 牝 武井厩舎 ノーザンF生産

父Quality Road 母父Mineshaft

母ウィープノーモアは米GⅠ勝ち馬、3代母Fluteはケンタッキーオークスなど米GⅠ2勝馬という良血。本馬は父母相似配合で母の競走能力に依存するので、母がGⅠ馬となれば大きく飛躍してもおかしくない。
Secrettame≒Sir Ivor≒Weekend Surprise≒Terlingua 4・5×4・4と「ナスキロ+Tom Fool」を増幅しており、東京ダートがいかにも合いそう。ただ、このクロスを持つ馬の多くはパワーが伴っている牡馬の方が走っており、やはりダート牝馬という点でマイナスは大きい。


つづく