関東馬まとめ短評(No.1~20) キャロットクラブ 2021年度募集

募集馬を考察した結果、その多くが掲載ボツになったので短評でまとめました。

信憑性に差があり、個人の感想が多めです。参考程度に。


1. ナスケンアイリスの20

募集価格4800万円 牡 手塚厩舎 桜井牧場生産

父ロードカナロア 母父フレンチデピュティ

Deputy MinsterなどEight Thirty≒War Relic≒Good Exampleのパワーを増幅したロードカナロア産駒は、牡馬はダート/牝馬は芝短距離に出やすい傾向がある。兄姉の成績から本馬はおそらくダート馬。ただ、父ロードカナロア×母父Deputy Minister系牡馬の活躍馬は、レッドルゼル、ダノングリスター、テーオーマルクスとフジキセキの血を持つ。大物感という点で疑問。


2. コケレールの20

募集価格6000万円 牡 国枝厩舎 ノーザンF生産

父ロードカナロア 母父Zamindar

ナスキロの柔らかいフレンチ斬れを伝える母コケレール。Nijinsky≒The Minstrel 3×3もあり、大型牡馬であれば非力な感じを出さずに、そのキレる末脚を発揮できそう。母の産駒は脚元が弱い傾向がある点がどうか。


3. ラドラーダの20

募集価格7000万円 牝 栗田徹厩舎 ノーザンF生産

父ロードカナロア 母父シンボリクリスエス

ラドラーダの産駒で初めての牝馬。SSの血を持たないので、アワブラとして非常に魅力。
配合的に強調材料はなく、締める血と柔らかい血どちらが強く出るか次第。


4. シーザリオの20

募集価格7000万円 牝 国枝厩舎 ノーザンF生産

父ロードカナロア 母父スペシャルウィーク

GⅠ馬の全弟妹には出資しないという宗教上の理由によりケン。
母の競走能力が重要になる父母相似配合で、母はGⅠ馬であり名牝。もちろん好配合馬。シーザリオの牝系は牝馬があまり走らないのがどうか。気性の問題なのか。


5. アドマイヤリードの20

募集価格5000万円 牝 宮田厩舎 ノーザンF生産

父ロードカナロア 母父ステイゴールド

Kingmambo≒Numerous 3×3を持ち、POGで人気したベルクレスタ(父ドゥラメンテ)が勝ち上がっている。体質をしっかり締めている点に好感。ただ、ロードカナロア×ステイゴールド、NureyevではなくKingmamboをいじる配合では結果が出ていないのが懸念される。


6. クルージンミジーの20

募集価格3400万円 牡 古賀慎厩舎 ノーザンF生産

父ハーツクライ 母父Mizzen Mast

母の産駒はダートでは堅実に結果を残している。大型牡馬でダートなら勝ち上がっても。配合的な強調材料はなく、ノーザンFの意向としても微妙。大物感はないだけに、全兄フジノタカネのように地道に稼げれば。


7. マイハッピーフェイスの20

募集価格3000万円 牝 加藤征厩舎 ノーザンF生産

父ハーツクライ 母父Tiz Wonderful

祖母Summer Starがナスペリオン血脈を凝縮した配合なのは好感。ハーツクライ×米国血統の牝馬はあまり活躍していないのがどうか。ディープインパクトを交配するために購買したとしか思えない母なだけに、個人的には好みではない。


8. ローガンサファイアの20

募集価格5000万円 牡 林厩舎 ノーザンF生産

父エピファネイア 母父ダイワメジャー

母父ダイワメジャーが体質を締める方向にはなるものの、プラス要素となる血はなく、配合的に強調材料はない。林厩舎はノーザンF関連クラブ馬で堅実に結果を出しており、ノーザンFの意向に期待したいところ。


9. バウンスシャッセの20

募集価格8000万円 牡 手塚厩舎 ノーザンF生産

父エピファネイア 母父ゼンノロブロイ

エピファネイア×ゼンノロブロイはTri Argo≒I Passのニアリークロスにより体質を締める効果がある。この配合は現2歳世代を除き、4/6頭勝ち上がり、シーズンズギフトが活躍している。Sadler’s Wells = Fairy Kingの全兄弟クロスでも体質を締めている点に好感。


10. プルメリアスターの20

募集価格3600万円 牝 木村厩舎 ノーザンF生産

父エピファネイア 母父ゼンノロブロイ

先述のTri Argo≒I Passに加え、サンデーサイレンス 4×3、Sadler’s Wells 4×5、Habitat 5×7、Le Fabuleux 6×7、Aureole 7×8とシーザリオの血を増幅している点が好感。本馬の祖母リリサイドは仏1000ギニー①着入線したマイラーと、エピファネイア産駒の大物の条件にも該当する。初仔で少し馬体が小さい点、キャロットF×木村厩舎ではそれほど結果が出ていない点がどうか。


11. モアザンセイクリッドの20

募集価格4000万円 牡 尾関厩舎 ノーザンF生産

父ドゥラメンテ 母父More Than Ready

Welsh Flemeの牝系。強靭パワー後躯を伝えるDanehillの血は、トニービンのトモの緩さを改善させる効果があり、ドゥラメンテ産駒と相性が良い。Sex Appeal≒Playmate 6×5と体質を締めている点も好感。
しっかり押さえるべきポイントを満たす配合で悪くなさそうだが、父キングカメハメハ系は母の良さを伝える傾向があるため、何が強く伝わるか分からない。米国的なパワーなのか豪州的な馬力なのか。筆者としてはフレンチ斬れが伝わる可能性は低いと見ている。


12. ステファニーズキトゥンの20

募集価格3600万円 牝 久保田厩舎 ノーザンF生産

父ドゥラメンテ 母父Kitten’s Joy

配合的に強調材料はなく、El Pradoの血は日本競馬にマッチしないという見解を持っており評価しない。走ったらごめんなさい。


13. ブリガアルタの20

募集価格3000万円 牡 高橋文厩舎 ノーザンF生産

父モーリス 母父コンデュイット

母ブリガアルタは「ナスキロ+Tom Fool」の増幅によりコンデュイット産駒で走った数少ないうちの1頭。ポテンシャルは高そう。Sadler’s Wells 4×4、Riverman 5×6と欧州型スタミナ血統を増幅した牡馬というのはプラスに思えない。非主流血統で小回り非根幹コース向き。


14 ルージュバックの20

募集価格6000万円 牡 大竹厩舎 ノーザンF生産

父モーリス 母父マンハッタンカフェ

ノーザンテースト≒Vice Regent 5×5のパワー増幅によりダートに出る可能性あり。高額でリスクを許容できない。


15 ケイティーズハートの20

募集価格5600万円 牝 鹿戸厩舎 ノーザンF生産

父モーリス 母父ハーツクライ

Katies牝系は強靭なパワーを伝える傾向があり、パワー×パワーでスピード不足の可能性も。エフフォーリアと逆方向の適性に。


16 シュピッツェの20

募集価格2400万円 牝 中館厩舎 社台ファーム生産

父モーリス 母父Azamour

ノーザンテースト≒Night Shift 5×3、Roberto 5×5とパワー増幅した血統はマイナス。しかも馬体が小さいとか無理。社台ファーム生産馬は出資しない方針。走ったらホントごめんなさい。


17 エンジェルフォールの20

募集価格3000万円 牡 田村厩舎 ノーザンF生産

父ドレフォン 母父ジャングルポケット

母が中距離芝血統でナスペリオン血脈を増幅させているので、芝1800m前後での活躍が期待できそう。配合自体は悪くなさそうだが、好配合かまでは分からない。この牝系は脚元の不安が常に付きまとい、OCD除去手術・ノーザンFの意向を鑑みるだけで不安に思ってしまう。


18 バイラオーラの20

募集価格2000万円 牝 和田郎厩舎 社台コーポレーション白老ファーム生産

父ドレフォン 母父トワイニング

ダート短距離馬なのに小柄な牝馬という点が大きなマイナス。母の産駒の活躍もイマイチで勝ち上がりが目標になりそう。走ったらごめんなさい。


19 メジロシャレードの20

募集価格2600万円 牝 萩原厩舎 レイクヴィラファーム生産

父ドレフォン 母父マンハッタンカフェ

母がマンハッタンカフェ×メジロドーベルという良血で、産駒も堅実に走る優秀な繁殖牝馬。血統の字面からスタミナ豊富なため、父から米国のスピードを補完させつつ、父:短距離馬×母:長距離血統という形になるのは非常に好感が持てる。
萩原厩舎に大型ドレフォン産駒が集まっているのはなぜだろう、早期勝ち上がり狙いなのか。


20 プンタステラの20

募集価格3000万円 牡 奥村武厩舎 ノーザンF生産

父リアルスティール 母父Elusive City

母プンタステラがDanzig 4×4、Hero’s Honor ≒ Danehill 4×3からDanehillの強靭パワーと、Secrettame≒Sir Ivor 4・5、Hightest Honorからナスキロの柔らかさが同居する血統構成。
本馬は、Alzao≒Touch of Greatnessを経由したSir Ivor≒Terlingua≒Secrettame 6・4×5・6のクロスになり、ディープインパクトのAlzaoいじりになる点が好感。母の産駒はまだ結果が出ていないが、今までの種牡馬はこのナスキロを増幅させていないだけに、未知の可能性を秘めている。ギャンブルするには少し金額が高いが。


つづく