アブソルートリーの19 キャロットクラブ追加募集

アブソルートリーの19 募集価格1800万円

牝 音無厩舎 ノーザンF生産

父ミッキーアイル 母父Redoute’s Choice

本馬はDanehill 4×3、Lyphard 5×5、Sir Ivor 6×6という父母相似配合。父母相似配合は母の競走能力に大きく依存する。母アブソルートリーはATCオーストラリアンオークス(豪GⅠ・芝2400m)勝ち馬なだけに、大物の可能性もある血統。キンシャサノキセキが近親なのも魅力的だ。


ミッキーアイルの初年度産駒となる現3歳世代はアーニングインデックスが高く、上振れを考慮しても上々の内容。ノーザンF生産馬(その中でも牝馬)は堅実に勝ち上がり、重賞好走馬も輩出するという素晴らしい成績。安くて走る種牡馬として今後も注目したい。

◆ノーザン生産のミッキーアイル産駒


ミッキーアイル産駒はSir Ivor、Haloの血を持ち、スピードを補完することが重要。Sir Ivor+Haloの血を持つミッキーアイル牝駒は、メイケイエール、ララクリスティーヌ、アールラプチャーと3頭すべて新馬勝ちを収めている。本馬はSir Ivor 6×6、Halo≒Royal Match 3/4同血クロス4×6を持っており、堅実に走ってきそうな配合だ。

また、上記の配合ポイントに加えて、Alzao≒Dancing Show、Storm Catのニアリークロスを持ち、Alzaoの血を増幅しているのが好感。このニアリークロスはSir Ivorの血が重要と同義で、その2つの血を持つことでより強く引き出しそうだ。実際、メイケイエールはShareef Dancer、ウェイブウインドとニアリークロスの血を2つ持っており、本馬と血統構成が似ている。

◆Alzao≒Dancing Show、Storm Catのニアリーな関係


父ミッキーアイルを育てた坂路調教中心の音無厩舎というのも好感。牝馬の活躍がやや少なく、「こんな安価な馬がなぜ音無厩舎に?」という気持ちも分かるが、これはおそらくクリソプレーズの2019が募集中止になったことで優先的に名前が挙がったものと推測でき、本募集で懸念される状況とは異なると筆者は考える。

短距離馬なのに馬体小さいこと、母の産駒の体質が弱いこと、左橈側手根骨近位骨片の摘出手術をしてセレクトセール欠場など、追加募集の曰く付きにしては懸念点が多いのはもちろん気になる材料。リスクを許容できるか否か。


【総括】

本馬はミッキーアイル産駒の堅実に走る配合パターンで、母の競走成績・配合から大きく活躍しても不思議ではない血統構成。小柄な馬体からDanehillのパワーよりSir Ivorのスピードが強く出ている印象で、ミッキーアイル産駒に見られるもっさり感はなさそうだ。

もっちろん馬体や体質に懸念があるが、本当にダメそうなら吉田和美氏名義になるだろうし、そもそもリスクを許容できないなら追加募集の出資自体を見送るべきだろう。募集価格1800万円であれば期待値もそれほど下がらないし、リスクを許容できる方にはオススメできる1頭。


堅実性  ★★★★☆

大物感  ★★★☆☆

お買い得 ★★★☆☆